第81話 双頭竜戦
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081_双頭竜戦
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僕とルカは、稲沢ダンジョンの第三エリアで隠し通路を発見した。
その通路の奥には、なんとドラゴンがいたんだ。
双頭竜と開戦したら、通路が消えた。
どちらかが死ぬまで戦えということだ。
ルカは愛槍ロンを操り、双頭竜を攻撃する。
ここは最大火力を出すべきだと判断した僕は、ドリル弾を準備する。
ルカが双頭竜を引きつけている間に、ドリル弾を高圧縮・高回転にしていく。
ルカの攻撃は双頭竜を傷つけることはできるが、致命傷にはなっていない。
今のルカの『SFF』は一万七〇〇〇。
僕の『SFF』は九八〇〇。
共に三万七〇〇〇の双頭竜に遠く及ばない。
だけど、僕たちには頼れる特殊能力がある。
僕をここまで連れてきてくれた『時空操作・改』は、決して裏切らない!
一分たった!
「ルカ!」
「了解!」
ドリル弾!
「いっけぇぇぇぇぇぇぇっ!」
ドンッ。
ドリル弾は大気の壁を一瞬で突き抜け、音速を越えた。
これまで、どんな魔物でもこのドリル弾で倒してきた。相手がドラゴンでも、それは変らない!
「僕のドリル弾は全てを打つ砕く!」
ドッカーンッ。
ドリル弾が双頭竜の胴体を貫いた。
「やった!」
「まだよ」
なんと双頭竜は胴体に大穴が開いているのに、まだ生きていた。
「なんて生命力だ……」
「ここは私が!」
その時、双頭竜の二つの頭が大口を開いた。
ブレスだ! いけない、ルカの回避が間に合わない!
「GRaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」
「GOoooooooooooooooooo」
「こんなものぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ルカは槍を地面に突き立て、その勢いで飛び上がった。
おかげで僕がフォローする時間ができた。
「空間防壁!」
僕は双頭竜を囲むように空間防壁を張った。
そしたら、ブレスが空間防壁内で大爆発した。どうやら双頭竜の冷気と熱気が混ざり合って爆発したようだ。
「あれ……?」
自分のブレスの爆発で二つの頭が吹き飛んだ?
「『結晶』!」
グイィィィィンッと双頭竜の力を吸い取っていく。
さすがはドラゴン種だ。胴体に大穴が開き、頭がなくなってもまだ生きているし、結晶化に抵抗している。
「あれ、もしかして生きているの?」
「ああ、生きているよ。しかも再生しようとしている」
「ドラゴンって本当に厄介よね」
僕が最初に見たドラゴンは、ネズミに殺られたけどね。
そのおかげで、僕はここまでこれたし、さらに上を目指そうと思える力を手に入れた。
結晶化が終わり、双頭竜は光の粒子になって消えた。
僕は『再生』『鉄壁』『極寒ブレス』『灼熱ブレス』『ドラゴンパワー』の結晶を手に入れた。
【隠しボス双頭竜の討伐を確認しました】
「あ……」
「天の声」
【隠しボス双頭竜の討伐報酬として、『
僕たちは天の声を聞き、新しい特殊能力を得た。
「『神速』を得たわ」
「僕は『
「はい? 何それ? 人間辞めるタイプの特殊能力だよね?」
「そうかもしれないね……」
『
ドラゴニュートになると、体中が鱗に覆われて尻尾と翼まで生える。
翼が生えるということは……そうです、飛べるのです!
さらに、戦闘力が跳ね上がるらしい。実際にどれほど上がるかは分からないけど、面白いと思った。
ルカの『神速』は瞬間的にスピードを上げる特殊能力だ。
ルカなら簡単に使いこなすことだろう。
「変身してみて」
「分かった……」
『
次にお尻の上辺りがむずかゆくなって、尻尾が生えた。
最後に肩甲骨と背骨の間くらいから翼が生えた。
「おおお! 竜と人が合体した!」
「合体じゃなくて変身ね」
ちょっと飛んでみたけど、かなりのスピードが出る。
ルカも『飛行』で追いかけてくるけど、追いつかない。
「『神速』!」
バグンッ。
一気に追い越された。
「『神速』すごい! まさに神のスピードね!」
「むむむ」
『神速』の効果はまさに『神』のスピードだった。
「あれは追いつけないよ」
「へへへ」
ルカが自慢げに胸を張った。
それはそうと、『
短いようで長い時間だ。
「大事なところで使う感じね」
ルカの言うように、ここぞという場面で使う特殊能力だ。
また、効果が切れてから再使用までは、一時間かかった。
そこで双頭竜から得た『ドラゴンパワー』だ。
この『ドラゴンパワー』は人が使ってもなんの意味もない特殊能力だけど、『
『
僕は『
そしたら、『
さらに、飛翔速度など、全体的に能力が上がった。
この状態で『神速』を使ったルカともう一度飛行で競争したら、追いつけないまでもかなりいいところまでいった。
「どうせなら、双頭竜から得た特殊能力を全部身につけなよ。ドラゴニュートの状態でブレス吐いたら、格好いいじゃん」
「……それ、ただ単にルカが見たいだけじゃないよね?」
「……なんのことかな?」
「やっぱり見たいんだ」
「いいじゃない! ドラゴニュートでブレス吐いてよ! 見たいじゃない!」
「はいはい」
実は僕もそれを考えていた。
僕は双頭竜から得た『再生』『鉄壁』『極寒ブレス』『灼熱ブレス』を覚えた。
双頭竜はアイテムを落とさなかったけど、その代わりに特殊能力を得た。
これで隠し通路の探索は終わり、僕たちは第三エリアに戻った。
「双頭竜……私、なんの役にも立たなかった。悔しいわ」
「相性があるから仕方ないよ」
「相性か……」
ちょっと悔しそうに唇を噛んだルカは、空を仰ぎ見た。
何も言わず彼女は歩いた。そして魔物が出てきたら、それを倒した。八つ当たりとも言う。
第五エリアまで探索した僕たちは、クランハウスに帰った。
あれからルカは何かを考え込んでいる。でも、魔物は倒しまくっていた。
僕はクランハウスの自室でシャワーを浴び、体と精神を休めた。
隠し通路のことは、明日報告するつもりだ。
B級ダンジョンに入るシーカーは限られているから、報告が明日になっても問題ないだろう。
そうだ、今日入手した天候制御装置の設計図はどうしようか。
ルカと相談したいけど、今日は疲れたから面倒な話は明日にしよう。
チャイムが鳴った。誰だろうモニターを見ると、アイカとアオイさんだった。
二人を部屋に入れると、アオイさんがコーヒーをくれた。
「今日は疲れたから、お兄ちゃんに夜を食べさせてもらおうと思ったの」
「兄にたかるなよ」
「お兄ちゃんだからたかるんじゃない。他の人にたかったら、ダメでしょ。それとも、お兄ちゃんは他人にたかれるの?」
「……分かった。アオイさんも一緒にどう?」
「はい。ご相伴にあずかります」
アオイさんはいい笑顔で返事した。
「ルカが元気ないんだ。誘ってあげてくれないかな」
僕はアオイさんに頼んだ。
美味しい食事で気分転換できればいいんだけど。
「ミドリさんたちは?」
「もうすぐ戻ってくると思うけど、ダンジョンに入っていると帰りが一日くらい遅くなるのはよくあるから」
アオイさんはルカに電話してから、ミドリさんにメールすると言ってスマホを手にとった。
ルカは意外にも一緒に食べにいくと返事があった。
ミドリさんたちも丁度ダンジョンから出てきたところで、現地で合流することになった。
結局、クラン『時空の彼方』の全員で食事になった。
アイカとアオイさんが何がいいかと話し合い、天ぷらになった。
アオイさんが知っている店に予約ができた。アオイさんの知っている店は、多分高級店だ。
これでも僕は億を稼いでいるからね、皆に奢ってあげよう!
しばらくしたらルカがやってきた。
面倒な話は明日にっしようと思ったけど、ルカがアイテムの取り扱いについて話そうと言ってきた。
テーブルの上にアイテムを並べていく。呪いの剣だけは危ないから出さない。
「へー、色々あるんだー」
アイカはあまりこういったアイテムを見ないから、珍しそうに見ている。
「こんなものまであるんだ」
アイカは巻き物を手に取って、開けた。
僕とルカが「あっ!?」と声を出した瞬間、巻き物が光の粒子になってアイカの中に入っていった。
「やっちゃったか……」
「アイカ。体は大丈夫か? どこか痛いところはないか?」
僕は心配でアイカの体をペタペタと触った。
「ちょっと、お兄ちゃん、どこ触ってんのよ!」
「ぐへっ……」
殴られた。
僕は心配して確認しただけなのに……。
「今のはリオンさんが悪いですよ。アイカちゃんはもう大人の女性なんですから」
「ああ、リオンが悪い」
僕が悪いらしい。
妹を心配したら悪いのか!? と叫びたかったけど、謝った。
こういう時は謝るに限る。それが世の中の
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いずれは最強の探索者 大野半兵衛(旧:なんじゃもんじゃ) @nanjamonja
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