第1292話 花見2

大阪にいた頃


春先になると職場近くの大川沿いで、毎年150人規模の花見をしていた


ある年


午後6時の開催を待ちきれずに、5時半ですでに100人がスタンバイ


後は誰かの乾杯の号令を待つだけ


そんな中、土手の上から着物姿の美人が現れた


あっ、あれは?!

新地のゆきママやないか!!


おぼつかない足元に気を付けながら


お連れの、これまた綺麗な女性を左右に従え


ゆっくりゆっくり斜めに土手を降りてくる


河原に降りきったママが俺に向かって手を振ってくる


ちょっとぉ~今の見た?皆さん?


俺みたいなバリバリの営業マンは、あんな美人ママとお近づきになれるんだぜぇ?


しかしまさかウチの花見に参加してくれるとは・・・招待したっけ?


まあええわサプライズや、ほら


まだあんなに手を振ってくれてる・・・


俺も手を振り返しながら得意満面に100名の同僚を振り返る


半数以上が手を振っていた


そしてママはそのまま


違う団体さんの待つ場所に去って行った

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