第1252話 俺を操るとは。

昼休み、ニヤニヤしながらスマホでYouTubeか何かを観ていた谷やん(35・脳筋社員1号)のスマホに電話が掛かってきたようだ


じーっと画面を見ていたが、"ちっ"という顔で席を立ち、スマホを耳に当てると


「・・・あい。ごめん。寝てた」無愛想に答えながら事務所を出ていった


奴は「最近スマホの調子が悪くて」常習犯でもある


面倒臭い着信やメールはシカトするのだ


ノリが子ども。


それを注意すると


「Tさんだって『ごめん小ちゃい字が全然見えんのや~』ってスルーするじゃないすか」


そう言い返される


いやそれはホンマに見えんのよ


「でも読む努力は出来ますよね?てか本当は読めてるんじゃないんですか?」


う~ん、まあ・・・


「そういうのを『ひみつのこい』って言うんすよ。読めないけど気合い入れたら読めなくもないっていう。読めること知っていながら読めない振りをする確信犯手前の。」


それは未必の故意(みひつのこい)じゃないのか。


俺「じゃあ『ほんきのこい』は?」


谷「サッポロ、濃いめのレモンサワー!!」



・・・それが言いたかったんだな?

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