第1237話 クリオネ

昨日(12/8)、12/1から北海道旅行に行っていたメンバーが無事、島に帰ってきた(#1227)https://kakuyomu.jp/works/16816927860625905616/episodes/16817330650371871868


別に来なくてもいいのに事務所にやってきてお土産をくれた宮里くん(脳筋2号)


「皆さんで罰ゲームしてください、道民でも食べないらしいですよ」


うわ、トド缶やないか。


知ってるよこれ・・・てかなんで我々、居残り組が罰を受けなきゃならんのだ


イシくん(小さな営業マン)「これ、ヤバいやつだろ?」


谷やん(脳筋1号)「えっ何これ?」


折角だから戴こうかということになった


さっそく缶詰を開ける


いわゆる、大和煮みたいなやつか


見た目は普通の焼肉みたいなのが詰まっているだけだが


3人、フォークで肉を刺し、いっせーのーで食べてみた


うぉぉ・・・

ケモノ感ハンパない・・・

これはマズい・・・


イシくんと谷やんは、勢いよく口に入れたまでは良かったが


徐々に咀嚼がゆっくりになり顔が歪んでいる


巷では石鹸を食べてるようだとかタイヤのようだとか言うが


俺が感じたのは硬い血の塊にべっとり脂がまとわりついているような?


中学の理科の実験で、マグネシウム焼いたような味だった


俺は喰えなくもなかったが、2人は途中で吐き出していた


リアクションがお気に召したのだろうか、宮里くんは満面の笑みで我々を眺めている


宮里「海岸沿い歩いてると、そこらじゅうに5メートルほどある大きな岩があって。でもそれって岩じゃなくてトドの死骸だそうです。ビックリでした」


イシ「お前さ、またそれ・・・信じてるの?」


宮「・・・んなわけ無いじゃないですか。『え~っトドなんですかこれ!』って言っておいたほうが盛り上がるでしょ?」


谷やん「お前なりに気遣ってんだね笑」


宮「あ、そういえば『アカデミィ薬局』だったかな・・・街中で看板見つけて、なんだか古臭い表記が良いな~って言ってたらツアーの女性が教えてくれたんですけど。クリオネ、わかります?」


俺「クリオネくらいわかるよ」


宮「あれ実は『クリオネ』じゃないんです。北海道ってさっきの『アカデミィ』みたいに大正ロマンって感じの呼び名が多いらしくて。クリオネも、そんな感じで命名されたらしくて」


俺「ほう・・・」


宮「正しくは『クリオネィ』です。そう、小さな『ィ』。ちなみにこれは雌の呼び方で、雄は『クリオニィ』だそうです」



・・・彼が帰ったあと、同じくお土産にもらった六花亭のマルセイバターサンド を食べながら


谷「信じてるっぽいですね・・・」

イシ「ガイドさんにまで騙されるとは・・・」


このバターサンドのレーズンも「クリオネィ」の佃煮だって言ってやろうか・・・

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