第1227話 比較対象
先週から、俺・イシくん(小さな営業マン)・谷やん(脳筋1号)を除くメンバーは全員、北海道へ社員旅行に出掛けている
イシ「なんだかこう事務所がガラ〜ンとしてると、一足早く年末が来たみたいですね」
俺「ホンマやな。それにしても飛行機が怖いってだけで参加しなくて本当によかったのか?奥さんとか娘ちゃん、怒ってないか?」
イシ「いやもうこれは、仕方ないです笑」
俺「苦手なもんを無理やり乗せるわけにいかんしなぁ」
イシ「鳥が羨ましいですよ〜」
谷やん「あ、鳥といえば"ものさし鳥"って知ってます?」
俺「鳥を目安にして大きさ把握するってやつやろ?」
谷やん「そう、それっす。この前教えて貰ったんすよ。えーと例えば、スズメ14.5センチ、ハシブトガラス56.5センチ」
イシ「ああ、それを比較対象にするってこと?」
谷「そうっす」
イシ「なんかそれ、ムカつく・・・」
俺・谷「えっ、なんで?」
先日、イシくんが訪問した客先でコピー機を借りていると
「あっイシさんごめん、ちょっとコピー機の後ろに立ってもらえる?」
離れた席に座る担当課長が言う
「あ、はい」
とくに疑問も抱かずイシくんはそのように立つ
課長「ほら・・・」
主任「あっホントだ・・・」
課長「な?やっぱり前の方が大きかったんだよ」
イシ「何の話ですか?笑」
課長「いや最近、そのコピー機入れ替えたんだけどさ。彼(主任)が『今の方が大きい』って言うのよ。俺は前の方が大きいと思ってたのね。で、いまイシさんが見えるってことは前の方が大きいんだなぁって」
イシ「どういうことです?笑」
課長「覚えてない?前に『コピーの音はするのにイシさんが消えた?』ってなったじゃん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます