第1226話 下取り

前話で宮里くん(25・脳筋2号)がぶちまけた赤ワインを洗浄するため、急遽Amazonで染み抜き用クリーナーを購入した


それが届いたので、重曹を買ってきて水に溶かし


かれこれ2時間ほどギョオォォォォンギョオォォォォン!!


ごつい爆音を響かせながら道具部屋を洗浄掃除した結果!!


あまり効果がなかった(゜∀゜)


これはもうカーペットごと交換やな〜


というか今更気付いたのだが、壁に掛けていた俺の大事な竿とリールのコレクションがない!!


宮里くんに電話する


「おまえさ、10日月曜の夜、俺の部屋でワインこぼしたよな?」


「あっ、その節はすみませんでした・・・」


「お前そもそも、なんであの部屋に入ったの?」


「えっ?それはTさんが『おまえ後輩に良いことしてやったから褒めてやる。欲しいタックルあったらやるから持ってけ』って」


「えっ?俺そんなこと言った?!」


「はい、だから◯◯のロッドとリール、これ貰って良いですかって見せたら『ええよ~』って」


「うそん?!」


「その時に、飲みながら選ぼうと持っていったボトルを床に置いたら倒しちゃって」


「お前さぁ・・・あの部屋でこぼしたなら一言いってくれたらよかったのに。1週間も放置したんやで?」


「言いましたよ?!そうしたら『いいからいいからあの部屋もう海水まみれだから』って」


「・・・そんなこと言った?」


確かに孫たちからも「ジージの部屋(道具部屋)乾いたオキアミの臭いがする」と言われ、敬遠されていた


ワインぶちまけて放置せずとも元々臭い(σ≧∀≦)σ


俺の鼻が慣れただけだ


そんなこともあって、今から少しでも部屋の整理をしようと思い


ここ数年、積んだまま放ったらかしの道具の山をかき分けていると


山の4分の1だけで、魚探やら電動リールやら高級品がゴロゴロ出てきた


これ、売ったら相当な額になるんじゃないの?


のこり4分の3はまたにして、とりあえずカバンに詰め、近所の釣具屋に向かった


「あっ、いらっしゃいませ〜」


「これ"蔵"から出てきてんけど、買い取れるやろか?」


「承知しました。これだけの数なら・・・15分ほどお待ち頂けますか?」


型落ちしてるとはいえほぼ新品の電動リールやら魚探やらバッテリーやら・・・30万行くかも知れんな。


10分ほど店内をプラプラしていると「Tさん、お待たせしました」と声を掛けられた


「こちら7点、しめて査定額33,000円になります」


は?(・ω・)


「えっ幾らって?」


「33,000円でございます」


「なんで?いやいや15万はすると思ってんけど?」


「あの〜、保管されていた場所って屋外でしたか?」


「えっ室内よ?」


「これら全て、その・・・海水かけたまま放置されてました?」


「いやいやいやほぼ未使用よ?錆びてるの?」


「いえ、ちょっと、これとか・・・」


そう言って店員が、俺の顔にリールを突き出してきた


「なに?」


「臭い、確認して貰えますか?」


あ〜そういうこと?鼻先を近付けてみる


「あっ臭っさ!!!Σ(゚д゚lll)」


「はい・・・商品全てこの臭いです笑」


乾いたオキアミの腐ったやつや・・・


まあ良えわ、33,000円で高級赤ワイン買いに行こーっと♪( ´▽`)


※前話・当話とも今年1月の話ですが、載せ忘れていました

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