第1235話 思考の出発点
タクシーの後部座席のモバイル画面に「できる男のネイルケア講座」という動画が流れている
爪を磨いた後、仕上げに保湿オイルの塗り方まで紹介されている
爪ねぇ・・・ガタガタですわ。
まあそもそも指が短いのがコンプレックスなので積極的に指先を見せることもないけど。
ちょっとしたお店だと、足元(靴)や時計はチェックされてしまうから
そこは普段から気をつけているつもりだけど。
あ、足元といえば・・・
とある釣り公園に寄った帰り、竿やクーラーボックスを車に積み終えて周囲を見渡すと
海辺の小洒落たレストランを見つけたので、そこに向かって歩く
歩道を渡り、店前に着くと
中から見ていたのか扉が開いて、「いらっしゃいませ!」と若いホールの女性が出迎えてくれた
「こんにちは~」
そう言いながら一歩踏み出そうとすると
「あ」
その女性が俺を指差す
と同時にヒン、ヒン、ヒンと背後から鳴き声がして鳥の飛び立つ音
なんだぁ?
振り返ると、サビキ釣りに使うカゴ(アミエビを詰める円柱の青いプラスチックの網目の容器)にイソヒヨドリが集(たか)っていて
カゴをずーっと辿っていくと、釣り糸が俺の靴に絡まっている
正確にはサビキ仕掛けの針が、俺のスニーカーに刺さっていたのだった
俺はいったい何時からこれを引っ掛けて歩いていたのだろうか・・・小鳥のお供まで引き連れて。
というか#1216でも言ったけどこの釣り場のゴミ!
本当に各自が責任持って処分して帰ってほしい!
あと、目的の魚じゃないからって、針を飲み込んで外せないからって、無造作に小魚を地面に捨てている人いるでしょ?
これもいただけない・・・生きてるなら海に返そうよ。
普遍的モラルだと思うのだけど、最近多い気がする非常識な方。
・・・って、あれ?
なんで俺、タクシーで魚のこと考えてるんだ?
まあ良いや。
はぁ~それにしても俺の爪、ガタガタだなぁ・・・
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