第1157話 彼らが正しい

神戸の割烹にて


A「商売はいくら金を貯めるか、じゃなくていくら金を使うか、だよな」


B「そのとおり。金は使い方なんだよ。それにいつ気付くかだよ」


カウンターの、俺の隣で経営談義する若者2人。まだ30代じゃないかな?


A「今の若い奴らって威勢は良いけど、そこが・・・あっ大将、さっき頼んだ毛ガニ、あれキャンセル」


B「なんだ食べないの?」


A「(小声で)よく見たらほら、昼網直送って書いてあるし。高そうじゃん」


何だい君たち。というかAくん・・・


美味しいものは値段気にせず、戴くときは戴く。違うかね?


俺「大将、俺そろそろ帰るわ」


「いつも有難う御座います!どうでした北海道フェア?」


大将は7月の連休に北海道旅行に行き


職人の血が騒ぎ、海産物を色々と目利きしてきたそうだ


現地の卸売市場から数か月間、北海道の海産物を送ってもらい


大々的なアナウンスはせず、裏フェアと称して期間限定で提供している


「いやぁ~ホタテ、しまエビ、ホッケ。どれも美味かったけど、何を言うても毛ガニやな~。最高やったわ」


隣の2人に聞こえるよう、これ見よがしに言ってやった


「ありがとうございます!ちょっとお高くなりましたが・・・」


「かまへんかまへん。幾ら?」


「こちらになります」お代を書いた紙が差し出される



高っか・・・(゚A゚;)ゴクリ

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