第658話 デリカシーのない男はモテません。

孫の海(かい・小3)は最近


外で俺と話していると、たまに自分たちの会話を周囲の大人たちが笑っていることに気付き


ジージとの掛け合いが大人たちを楽しませているのではないか?と勘違いしているきらいがある


なので周囲にギャラリーがいると、わざと声を張って話しかけてくる


先日も、ゆいレールにて。


じーっと吊り広告を見ていた海。


「えすててぃっくてぃーびーしー。終わりのある、ぬぎ・・・げ?」


「だつもう。」


「だつもうって?」


「毛を抜くんだよ」


「どこの?」


「ん、まあ・・・足とか。腕とか」


「ジージのあたまも、続き抜いたらぁ?」(仕掛けてきよった)


「なんで!大事な毛やのに。それにこれは脱毛の途中じゃないです。」


モノレールの乗客達が失笑する


「足とか手は大事じゃないの?」


「ん~まあ、女の人なんかはいらないやろね」


「なんで?」


「そりゃあ無い方が綺麗に見え・・・海くん?海くん?!キョロキョロしない。」


笑っていた女性客数人の顔がこわばる


「◯◯ちゃんのお母さんの背中、すごかったんだって。でもえすてっくびーしーでツルツルになったんだって~!」


君はサロンの回し者か。


沖縄の女性は総じて、体毛が濃いのが悩みなのだ


海くん、もう少しデリケートになりましょう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る