第523話 出身

土曜の昼から、お客様と三ノ宮(神戸)で昼飲みの約束をしていた


12時ジャスト、行きつけの女将の店に到着する


「Tさんいらっしゃいませ~♡ お客様はお名前、何と仰いますの?」


「あ、植田。田植えに田、です。宜しく」


「ウエダ様、わざわざお休みの日にこんなところまでお越しくださって、ホンマに有難う御座います~」


「いやぁ~Tくんがずっと『神戸にべっぴんな女将がいてますねん』言うてたからね。しかしホンマにべっぴんさんやな!」


「まぁ~そんな上手言うてくれはって~♡ 今日はゆっくりしていってくださいまし~」


そんなわけで飲み始めて、1時間が経った。


トイレに立つ。


トイレから出たところに女将が立っていて、真顔で話しかけてきた


「ウエダさんて日本語めっちゃお上手やけど、ずっとこっち住んではるの?」


「・・・ん?大阪の人やで?」


「えっ?・・・ハーフのかたやないの?」


「なんでよ。顔見たらわかるやろ笑」


「でもさっきウエダ・タウエニタさんて」

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