第323話 女性店員

インナーを探しにユ◯クロへ寄った


ヒートテックや靴下やらを買い物カゴに入れ、セルフレジに向かう途中、レディースのコーナーを横切ったのだが


おばさんと女性店員が話している


「◯◯を探してるんだけど・・・」


「これなど如何ですか?」


「あー、もう少し細身なのある?」


「でしたら・・・こちらなど如何でしょう?スキニータイプなのでお客様にぴったり、綺麗なラインが出ると思いますよ」


「あっこれいいわね。試着してみていい?」


「あちらになりますので、係の者にお申し付けください」


「ありがとう」


ここまでの会話を聞き取れた理由は「あれっ彼女は確か・・・?」と、俺が立ち止まったからだ


あの綺麗な女性店員さん・・・


以前、松山(那覇)の多国籍クラブで働いていたフィリピンの子じゃないか?


絶対そうだ


2年ほど前、国に帰ると言って辞めたはずだが・・・帰ってきたのかな?


店での名前は、確か・・・マリアちゃんだった


そんな事を思い返していると彼女がこちらを向いたので、俺は小さく手を振る


客に呼ばれたのかと思って近づいてきた彼女であったが


近づくにつれ、俺を思い出したようだ


あーっ!と言いながら手を振り「お久し振りですぅー」と挨拶してくれた


「おれ、憶えてる?」


「おぼえてるよ!ヨシユキサーン!」


「ちがう、マサだよ」


「あっマサユキサーン」


「あの・・・高野ですよ俺」


「タカノー? ニホンゴムッズカシィ〜」


「こっち帰ってたんだ?」


「ウーンワッカラナイネ〜」


・・・なんで急にカタコトになるの?

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