第226話 安室ちゃん

※この話をする時いつも、女性陣からは"それを言うな"と怒られる


久々に神戸に戻ったある日、むかし通っていたジムに電話する


聞き慣れた声の女の子が「うわぁお久しぶりですね!」と対応してくれた


今なら人も少ないですよ、という事なので、車を飛ばし15分で到着


受付で会員証を渡し、見知らぬ女性スタッフからロッカーの鍵を受け取り、着替える


一通りの筋トレをすませ、プールで泳ぎ、ジャグジー→サウナ→ジャグジー→マッサージで仕上げる


あっという間に2時間


シメのシャワーを浴び、のんびりソファでくつろいだ後、帰り支度を始める


"そういえばあの子、顔見なかったな"


数時間前、電話で応対してくれた子のことだが


どうやら今日は早番だったのか、結局姿を見ずじまいだった


安室ちゃんみたいな顔で、可愛くて声もハスキーで


久々にその子に会うのも、ここに来る楽しみの一つだったのにまあ、仕方ないか・・・


着替えを済ませ、出口の受付に向かう


来た時にもいた初見の受付女の子にロッカーの鍵を返し、会員証を受け取って帰ろうとしたら


その女性が「・・・Tさん、今日は何かありましたか?」と話し掛けてきた


そこて初めてマジマジと、その女性を見たのだが


うーん、あなた誰だっけ?


いや別に何もありませんよゆっくりさせて頂きましたよーと微笑むと


「そうですか・・・それでしたら良かったのですが、Tさんお疲れの様に見えたので・・・」


そこまで言われてわかった


俺の目の前に立っているのはあの安室ちゃんである


「うっわ~ごめ~ん!今の今まで気づかんかった!!」


そうは言ってみたものの、やっぱり顔が違うぞ?全然、違うぞ??


あの子はもっとこう、目が今風にクリッと真っ黒で大きくてバチバチのまつ毛の・・・はっ!


メイクか?

メイクの違いか?


いやそれにしても目が・・・

何故ピン球からパチンコ玉に・・・


「なん~か雰囲気かわったね!髪型かな?何だろう?大人っぽくなったっていうか、前は・・・そんなだったっけ?」


取って付けたような感想を述べていると


「実はわたし結婚しまして、ちょっとナチュラルメイクに抑えたんですよ~」と彼女が言う


「あ、そうなんだ~おめでとう!!」


微笑みながらも


ちょっと抑えたナチュラルメイクだけで安室ちゃんがほっしゃん。になるのか・・・


とても感心してしまった(決してディスっているのではない)

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