第59話 そう言えば。

事務所のあるフロアの、共用部トイレに入ると


大の個室から


カラカラカラカラカラカラ~ッ

カラカラカラカラカラカラカラカラカラ~ッ


そこにハムスターおるの?てな勢いで、紙ロールを引き出す音がする


引き出しては拭き・引き出しては拭き、なら分かるのだが。


カラカラカラカラカラカラカラカラカラ~ッ


どこまで引くねん


誰だか知らんが何をやっとるのだ(-_-)


用を足し、洗面台で手を洗っていると


ジャーッ!ジャーッ!ジャーッ!と数回流す音がして


ガチャ、と谷やん(34)が出てきた


お前かい!


「うわった!」俺を見て激しく動揺している


「お前はいったい、カラカラカラカラ何をやっとったんだ?」


「あっ、いや・・・その」


トイレで喫煙が見つかった中学生のようにオドオドする谷やん


「下痢が・・・」


「ああ、止まらんのかいな」


「はい、猛爆で・・・」


「まあそれは仕方ないな・・・あっ、そういえばお前!」


「はい?」


俺は「うんこ」なんだって?


・・・そう言いかけて止めた(※前話)

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