第21話 痛い

トイレに行こうと事務所を出ると


ちょうど廊下突き当たりの税理士事務所に、中年女性が入ろうとするところだった


ウチを含めどの会社も、表の扉は開放したままだ


その女性、左手でお尻のあたりを煽(あお)ぎながら入ろうとして


一瞬、背後を確認した


確認した背後の先に俺がいるのを察知


煽いでいた手をぐるっと上に回し


ダンクシュートするかのように頭上で手首を返した


返した手が入口扉の桟(さん)の上部に当たり(こっちにまでコン、と聞こえた)


相当痛かったのだろう、アルマジロみたいに丸まって事務所に消えていった


屁を煽いだばかっりに・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る