第22話 やめなさい。

出張で数日、家を開ける際には


上の娘か、たまに下の娘が来て、部屋の換気や郵便物のチェックをしてくれる


1週間の神戸出張を終え、19時に部屋に戻ってきた


夕方に下の娘が部屋に来てくれたようで、LINEが入ってきた


「郵便物の中にさ、社交ダンス教室の生徒募集のチラシが入ってたんだけどさ。どうやって入ってきたんだろう?」


「誰かの出入りの隙に、どさくさに紛れたんちゃう?」


「ん〜でもね。その社交ダンスの先生、写真載ってるんだけど。お婆ちゃんなのよ」


「え?」


「プロフィールに『◯◯子(85歳)』って書いてあるのよ」


「お婆さんやな〜。でも沖縄ならあるあるやわ。この前も『カウンターレディー募集/〜90才・健康な方』って貼ってたスナックがあったから」


「ていうか『社交ダンス/ファイナリスト』って書いてあるんだけど・・・それだけなのよ」


「ん?なんか大会の名前とか、載ってないの?」


「いや、ただ『社交ダンス/ファイナリスト』としか」


「アバウトやな〜」


「だから私、思ったんだけど。歴代の男性ダンスパートナーがみんな死んじゃって自分だけ生き残ってファイナリ・・・」


ブラックなこと言うのやめなさい。

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