第4話 鎖
第三章 過失
数年前のある日、
ユヌの家族が留守をして、
ベムとユヌは2人きりになった。
ユヌは排卵日に合わせて、
家族を外出するよう促していた。
家族がそのことに、
気づいていたのかは定かではない。
ユヌにとっては絶好のチャンスであった。
ユヌは、色仕掛けでまんまと、
孤独で、ストレスの溜まっていたベムと
性交を遂げることに成功した。
ベム46歳、ユヌ34歳の夏であった。
たった1度の情事であったにも拘らず、
ユヌは妊娠した。
ユヌは、
美しいと形容されるような
風貌の持ち主ではなかった。
ベムは女性の見た目の美しさを
重視するタイプなので、
ユヌに惹かれることはなかった。
結婚を迫られたが、
自分が神父であることを理由に、
結婚を先延ばしにしている。
そして、
この家族から離れて
自由になることを
思い描くことが多くなっていった。
ニュウベラスに来てもう11年だし、
そろそろ異動の話が来るのではないか。
たとえそうならなかったとしても、
ユヌと家庭を構築することではなく、
ユヌから逃れることを妄想しているのだった。
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