第4話 鎖

第二章 コネ


 ニュウベラス県という

田舎に異動して仕事をすることは

昇進の条件だった。


 都会のブルラス県生まれの

ベムにとっては、方言もわからないし、

村八分などの嫌な目に合うのではないか

と心細かった。



 信者の紹介で、

地元の有力地主の一人娘であるユヌと出会い、

幸運なことに、ベムはユヌに気に入られた。


 閉鎖的な田舎の町で、

キリスト教の亜流の教会を

運営していくことの厳しさを

実感していたベムは、

地元の有力者との強固な繋がりが必要だった。


 「ダレムの神父を辞めたら、

娘と籍を入れてくれるんだろ?

その時にわしは生きているかわからんがな」


 ユヌの父親との、

このような会話の時の

作り笑顔は簡単にできたが、

家に戻るとどっと疲れが出るのだった。


 ベムは、自分が徐々に彼女に

好意を持てるようになることを期待していた。


 有力地主とのコネを強固にしたかったので

付き合いを続けた。

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