第4話 鎖

第一章 天使


 12月23日の夜、ベムはユヌの家に寄った。

 3歳の娘はすでに寝ていた。

 間違いが原因でできた娘ではあった。

しかし、ベムには娘の寝顔が天使のように見えた。



 「あなた、今夜は来ると思わなかったから

夕食は用意していないの。

ごめんなさい。パンと塩を溶かしたスープしかないわ」


 地元有力者の娘である。

パンとスープしかないはずがない。


 「いいよ。

ご飯は自分で用意したものが家にあるから。

元気かな、と思って、顔を見せに来ただけだから」


 ベムはユヌとのこのような会話も、

うっとうしく感じていた。

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