ちんちくりん。
1日中パソコンの前。
納入の遅れを責められる毎日に、気づいたら
感情が犠牲になっていた。
「ちんちくりん。」
仕事を辞めて、好きなものを好きなように集めて、好きなように売る店をはじめた。
働いて働いてもらっていた多いか少ないかもわからない給料。使う元気がなかったことが、こんな幸せに化けるとは思わなかった。
今店内には4人。
私とお客さん3人。
1人は更衣室で、あとの2人はなんとなく雑貨を見つつも更衣室があくのを待っている、感がある。
「それにしても長いなー。」
こんなことは口に出して言えないから、心の声を大にする。
「ちんちくりん。」は完全に私が欲しいものだけを集めて、おいている。営業時間も特に決めていない。昼頃くらいまでにはあけて
夜に差し掛かった頃にしめる。
気分がいい時は深夜まで営業する。
本当に何にも縛られない。
だからいつもならこんな風にお客さんの渋滞が起こるような店ではない。嬉しいことだけど、揉め事になったらどうしよう、と
電話越しの怒号に耐えたあの頃の記憶が少し、蘇る。
あのお客さんにあのスカートはたぶん似合ってないだろうに、何をしているんだろう。
出てきたら、こっちを勧めてあげたい。
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