第2話

オフ会当日。オフ会自体は8人で行われた。待ち合わせ場所にほんのり茶色の髪の毛を後ろで括りワンピースを着たおしゃれな女の子が立っていた。僕が近づいていくと振り返り笑顔で手を振ってくれたのだ。その時女性の参加者は他にもいたが間違いなく彼女だと思った。そしたら彼女から「けいさん!?」と問いかけられた。けいとは僕のゲーム内の名前だ。僕もすかさず「みゆちゃん!?」と問いかけた。彼女はそう!と一言笑顔で言う。その瞬間良くわからない感情が込み上げて来た。そのまま全員集合しオフ会がスタートした。時期が時期なので貸切の居酒屋バーだ。彼女は僕の隣の席に座っている。そんな小さな事でも喜んでいる自分がいる。彼女といっぱい話したいがせっかくみんなで集まっているので気持ちを押し殺し、とにかく楽しむ事を優先した。そして次は2次会。こじんまりとしたバーでゆっくり飲む事に。店内BGMはそれなりの音量があり少し離れていると聞こえないくらいだ。ここではみんなで話すというよりは個々で話している感じだった。どうしても話したくて彼女の隣に座った。今回僕は念の為、2泊3日で来ていた。彼女は現地に住んでいる。話してるのが楽しくなりお酒の勢いもあって「明日良かったら付き合ってくれない?」と聞いてしまった。凄く心臓がバクバクした。彼女から「みんな来るの?」と聞いてきた。咄嗟に「何人か来るよ」と嘘をついてしまった。そのままオフ会は解散した。僕はホテルに着きお風呂に入りベッドにうつ伏せた。なんであの時嘘をついてしまったんだろうと後悔と共に実際に会って彼女の事が好きだと確信した。その日は気づいたら眠っていた。翌日何度も鏡を確認して待ち合わせ場所のカフェに向かった。携帯が震え、みると彼女からもうみんな来てる?とLINEが来た。どうしても2人で会いたかった僕はそのまま嘘をついたまま来たのだ。返信に迷っていると彼女が到着した。「あれ?みんなは?」と当然の反応をしてきた。「来る予定だったけど来れなくなった」とまた嘘をついた。少し気まずい間もあったが「そうなんだ。」と笑顔で返してくれた。このまま2人でも大丈夫?と聞いたら「驚いたけど全然大丈夫だよ。」と言ってくれた。「初めて来た場所もあって観光がしたいからそれに付き合ってほしい」と言った。「なにするのー?」と聞かれたのでその地域は人力車が有名だったのでそれに乗りたいと言った。えーーと驚いていたがおっけーしてくれた。2人で人力車に乗り込み、写真を撮ったり、食べ物を食べたりした。軽々しく人力車に乗りたいと言ったがかなりカップルっぽい事しかしてない事に気づいた。楽しんでくれてるかな?とチラッと彼女の方をみるといつもの笑顔でいてくれている。ホッと安心して「なんかカップルっぽいね」と笑いながら言った。すると「そうだね。」と気のせいか少し表情が曇った気がした。そうこうしていると人力車が最終地点に到着した。降りてしばらく歩いてもう1度カフェに入った。「マジで楽しかった!ありがとう!」と伝えると先程とは違い、どこか浮かない顔をしている。どうしたの?僕が尋ねると、あのね、、、と彼女が話し始めた。「今回凄く楽しかったんだけど実は彼氏がいるの。だから複雑な気持ちで。」僕はかなり衝撃を受け、言葉にならなかった。僕は謝った。「ごめん、実は最初から2人だけだったんだ。」と嘘をついていた事を謝った。彼女は「え!そうなの!?」と驚いていた。「2人で遊びたいと思って嘘をついちゃってごめん!」とほぼ気持ちを伝える様な事を言ってしまったと内心凄く焦った。彼女は「そんなの最初から言ってくれたらよかったのに、2人でもきてたよ」といつもの笑顔で言ってくれた。これは彼女の優しさなのか、本当に思ってくれているのか分からない。そのまま解散して僕は飛行機に乗り家に帰宅した。。。

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ゲーム内VCで恋に落ちた男 @mennnme

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