ゲーム内VCで恋に落ちた男
@mennnme
第1話
最初は友人に紹介されてなんとなく始めたゲームだった。そのゲームはモバイル版のFPS。銃などを撃ち合う今どきのゲーム。始めた頃はこんなゲームハマるかな?と思いつつ日頃から時間も空いていたので少しずつやり込む様になった。ゲームの中にはMPとBRの2つのモードが存在する。そこで僕がよくやり込む様になったのがBR。広大なMAPに分隊と言って4人1組のパーティがランダムに組まれ同じく他に組まれた数組のパーティと撃ち合いをして1位を目指すものだ。ゲームをやり始めて数ヶ月後、仲良くなった人に「VCを繋いでやらないか?」と言われた。VCとはゲーム内のマイクをONにする事で話しながら遊べるという機能だった。仲良くなったし良いかと思いVCを繋いでゲームをする事になった。そこから数ヶ月経ちある1人の女性と出会う。ゲーム内でフレンドになると招待を送り一緒にBRを遊べる様になる。ある日僕のフレンドの1人がその女性を呼んだ。「初めましてみゆって言います。」凄く元気で明るい声が聞こえた。最初は一緒にゲームをしていて楽しいなくらいにしか感じていなかった。そこから仲良くなり4人ではなく2人で遊ぶ様になった。こういったFPSのゲームでは出会い厨(気に入った異性がいたら積極的にリアルで会おうとする奴)と呼ばれる存在がいた。まさか顔も見た事ない相手を好きになったり会いたいと思う訳がないと思い、そういった奴等にはかなり否定的だった。そこからはほぼ毎日2人でゲームをする時間が増え、お互いのリアルの話しなども頻繁にする様になった。いつも通りゲームを立ち上げ彼女を誘った。何回招待を送っても全然来てくれない。するとゲーム内メッセージで「ごめん、今日は別の人とやるから一緒にゲームできない。」と来たのだ。その時胸の奥が無性に熱くなった。自分でも驚いた。なぜか嫉妬してしまったのだ。たかがゲームが一緒にできないだけなのに。その日はやる気が起きずゲームはしなかった。そこから次の日もその次の日も彼女とゲームができなかった。そんな時だった。去年の年末の出来事だ。オフ会(オンライン上で知り合った人と現実で会う)の話が出たのだ。もちろんそこには彼女も入っている。僕はかなり遠くに住んでいたが、どうしても彼女に会い、この気持ちが本当なのか知りたかった。そう、そんな事になる訳ないと思っていた事が今自分に起きているのだ。声しか知らないのに彼女の事が好きになっていたのだ。
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