第11話 ★第三者視点。メイド・カエデの視点2
お
私の奥底でストンッと冷たい何かが固まる。
心の中で覚悟が定まった。
もしも、御子様が堕ちた神の影響を受けていたのであれば殺す。
例えその対象が、この身を掛けてお守りすると誓ったお
お
災厄の芽は摘まなければならない。
それが私の出した結論。
目を覚ました御子様はしばらくの間天井をただただ眺めるだけだった。
私は注意深く御子様を観察する。
スキルを使い、例え気配察知に長けた熟練の狩人であろうとて気が付かないような
御子様は天井をしばらく眺めると、声を上げられた。
「バブー」
背中に電流が走る。
私はその声を聴いただけで、その場に平伏したいという欲求に駆られていた。
胸に湧く、この人こそ私が仕えるべき人物に違いないという確信。
しかし、油断してはならない。
国の中でも古き里の古老たちに伝わる伝承によると、堕ちた神の祝福を受けし呪い子は美声を発し、甘言を弄してエルフ族を操ったという。
心の中で葛藤をしていると、御子様に動きがあった。
「ダーー!!」
大きな声をあげたかと思うと、おもむろに右手を握りこぶしにした。
何をしているのだろう?
聖なる森のさらに奥地、そびえ立つ聖樹。そこを縄張りとする賢獣が持っているという世界の全てを見通す
しばらくすると、それはやってきた。
なんと!御子様はその美しき
到底生まれたばかりの赤子が浮かべる表情ではない。
何か、暗い欲望を抱える老成した魔術師が世界征服をたくらむかのような陰湿な笑顔だった。
ああ、私たちエルフ族の希望は潰えたのだ。
やはり、最初に感じた堕ちた神の影響は生まれたばかりである御子様を汚染していたのだろう。
私はこれから赤子を殺さなければならないという現実に絶望を覚える。自らお
「やはり、混じり物でしたか・・・。お屋形様が気づく前に処分しておかねば・・・」
私は、赤ん坊であれば確実に死ぬであろう魔力の波動を御子様に対して焦点を合わせて発した。
お
申し訳ありません・・・。
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