第9話 このメイド・・・出来るっ!?

 名前:(未設定)

 種族:人族

 性別:♂

 年齢:0歳

 フィジカル:G

 メンタル:G

 ラック:G+

 スキル(ユニーク):カリスマ

 スキル(コモン):魔力操作


 先ほど、謎の美女(決定済)の声が聞こえたので早速ステータスを呼び出して確認する。

 すると、スキル欄にしっかりと魔力操作が追加されているではないか。こいつはありがたい!無事に新しいスキルが獲得出来ているということは、俺の考えた『メンタル』のトレーニングの方法は有効だったということの証左であるからだ。


 これははかどる!!


 勉強では、期末テストの結果や統一テストでの順位などで、目に見える結果出ると次にまた頑張ろうという気になることが出来る。

 筋トレも同様だ。苦しいトレーニングをして、だんだんと筋肉が肥大していくことが実感できると、その苦しみでさえも快感に変わってくる。

 逆に言えば、目標のない勉強や、体重がなかなか減らないダイエットなんかはすぐに辞めたくなってしまう。これ人間の真理だと思う。


 つまり、俺はこの世界で頑張れば頑張るほど、ステータスと言う目に見える努力の結果をすぐに確認出来るという最高の成長環境に置かれているということだ!


 スキルとして努力が見えるのならいくらでも頑張れる!!


 前世では、いくら頑張っても成長の結果であるテスト結果や期末賞与ボーナスなんかに実際に反映されるまでは時間がかかった。しかも、平均点数から推測するしかない場合やら、職場内の評価が公表されていなくて、自分の努力が報われていないのではないかいうような疑心暗鬼におちいってしまうこともあった。


 それに比べると、今世のなんと親切なことか!


 テンションがいきなりマックスになった俺は、新たなるスキルの獲得を目指して、現状で思いつく限りの『メンタル』トレーニングを続けるのだった。


 しばらくして。


 それは、前世で読んだ最高に面白い漫画でやっていた『不可思議エネルギーを目に集中させると、不可思議エネルギーを目で確認できるようになる』という方法を試していた時だった。


 先日俺をコロコロ(ぶっ殺し!)しようとした耳長女、たぶんエルフだろう。が俺の様子を確認するために俺の視界に入ってきたのだ。


 ぶりぶりぶりっ!!


 俺は盛大に脱糞した。


 別にトイレを我慢していたわけではない。


 俺はによって、おしっことうんちの両方を同時にやらかした。

 しかも、あまりの恐怖に泣き出すことも出来ない。


 ただただ、純粋に『怖い』。


 自分の魔力を宿した目で見たエルフは、恐ろしいほどの魔力を高密度に押し込めたモノ。言い換えるのならば、人の形をした言わば魔力のかたまりのような存在だったからだ。


 俺は深く息を吐く。


 危なかった。


 先日がエルフが言っていた。「お屋形様が気づく前に処分しておかねば・・・」の意味がやっと理解できた。


 目の前のエルフは、手足が細くて綺麗なだけのメイドなどではなかった。自分を確実に殺しうる力を持った強者だったのだ。


 そのとっても強いであろう問題のメイドは、俺が感じている恐怖などお構いなしに「ふふっ!今日も元気にうんちをしていしまいましたね!」なんて、無表情のニッコニコという難しい顔芸をしながら俺のおむつを替えてくれていた。


 俺は、敵意ではなく愛情を向けてくるエルフに対して、必死に引きつった笑顔を見せながら考える。


 前回、背筋が寒くなったときにスキル:魔力操作を覚えたいたらどうなってだろうか?


 想像する。


 そして、結論。


 殺されることを恐れて防御反応をそっていたのではないか・・・と。


 つまり、エルフの言った『悪魔憑きの反応』とやらをとってしまい、せっかくの転生があっさりと終焉を迎えていた可能性もあったということだ。


 長い間考えことに没入していたからか、次に気が付いた時には日が暮れかかっていた。


 俺は、声をあげて笑った。


「きゃっ!きゃっ!きゃ!」


 最高じゃないか。


 


 生まれてすぐの命の危機を無意識に回避できた。


 そして、今現在、最高の目標を発見することが出来た。


 種族は違えども、『ヒト』という種族はあそこまでの高みに登ることが出来る可能性を秘めているのだ。


 たぎる!!


 やってやろうじゃないか!!


 俺は、すぐさま『メンタル』を強化するためのトレーニングを再開した。

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