第8話 なるほど・・・スキル制か・・・

 先ほど、集中するあまりに長時間ぼーっとしていたという事実なんかを忘れさせるために、いつもより少し大きな声で泣き出すことでメイドさんたちに不快感を伝えた。すると、さすがプロの育児係。食事とお尻ふきふきのセットをささっと済ませてくれるではないか。


 美女にしものお世話をしてもらうという、前世であったらそれなりの専門店に行って、そいそこの料金を払わなければならないプレイを親のお金でやった俺は(控えめにいってクズ)すっきりしたことと満腹によって爆睡した。


 赤ん坊は食って寝て垂れて、泣き叫ぶのが仕事!

 俺ってなんて勤勉なんだろう!(羞恥心が行方不明)


 お目めパッチリのベストコンディションになった俺は、先ほどの、魔力らしきものの感覚を忘れないうちに復習することにする。


 けれども、漫然とやってはダメだろう。


 筋トレと同じく、鍛えたい部位の筋肉により確実に過負荷をかけて、たっぷりの栄養を補給する。それが、前世で俺が学んだ強い筋肉を育てる方法だ。


 世界は変わろうとも、人間ベースの生き物であるには違いない。


 つまり、こちらの世界でもある程度の応用は利くだろう。


 だらだらとやっては意味がない。


 俺の目標は、ステータスに表示されたメンタルの上昇。


 多くのゲームの中では、メンタル=精神は魔法力、魔法攻撃力、魔法防御力、魔法攻撃耐性、精神攻撃耐性などの多岐に影響を及ぼしていたように思う。


 つまり、それらを鍛えていけばメンタルが上昇し、俺は強くなり、モッテモテのウッハウハに近づくということだ(確信)


 ラノベの定番、魔力をからにすると最大魔力量が増大するって方法を試すのもアリだろう。しかし、それよりも先に魔力を明確に感じるようにする。もしくは魔力を動かすことによって、魔力への親和性をあげることで精神を鍛えることが出来るのではないかという推論を俺は思いつく。


 ギリギリまで魔法親和性の適性を鍛え、最後に魔力を空っぽにして眠る。


 我ながら恐ろしいくらい完璧な鍛錬方法だ!


 早速、お昼寝にならないようにうっすらと目を開けながら、体の奥底へと意識を向ける。するとどうだろう。明らかに前世では感じたことが無かった、体内に混じっている熱のかたまりらしきものを感じることが出来る。熱せられた極小のパチンコ玉が体内にあるイメージだとすると分かりやすいだろうか。


 さらに、その暫定魔力の動きを追っていく。すると魔力ってやつはどうやら息を吸うことによって体内に取り込まれるものもあれば、胃の中で現在進行形で消化されているだろうお乳の中から体内に吸収されるものもあるのがぼんやりとだが分かった。


 そして何より、その体内にあるうっすらとしたものと違う、肉体と言うより精神と繋がった先の先にある、濃くて塊のようになった魔力のような高エネルギーな存在を明確に感じることが出来た。


 こいつはなんなんだろう?


 魔力の根源的なもの?

 それとも、こちらの世界とは薄皮一枚でつながっている精神世界のようなものには大量の魔力が存在するのだろうか?


 そんなことを考えながら、遠くて近い魔力のかたまりから、こちらへ熱を持ってこようとひっぱったり押したり、ひっぱたいたり、にぎにぎしたりといろいろやっていると。


 ピコンッ!!


 と、頭の中で大きな8ビット(初代ファミコン)で作った合成音らしき音が響いた。


 そして、女性の声が後に続く。


「スキル;魔力操作を獲得しました」


 この声は!?


 ・・・

 ・・。

 ・。


 きっと美人に違いない!!(そこかよ)

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