第4話 え!?大ピンチ!?もしかして、もう最終話!?

 なんか、耳が長くて碧い瞳をした美女のめっちゃにらまれてるんですが?(困惑)

 相手を観察するために、視線を顔から胸部に向ける。ふむふむ。こっちは見事なまでのぺったんこ。年齢的にこれ以上の成長は望めないだろう。残念!なーむー!(合掌)


 そんなことを思った瞬間。俺は背骨に氷柱つららをぶちこまれたかのような強い悪寒を感じた。


 やばい。これ死ぬ奴や。

 走馬灯が脳裏を駆け巡る。


 目が覚めておっぱいにむしゃぶりついて、寝て起きたら貧乳に殺される。


 って走馬灯めっちゃ短かったわ。


 そりゃそうか。

 まだ生まれてからの記憶これだけだもんな!


 そんなことをつらつらと考えてながら一人百面相ごっこをしていると、先ほどまで感じていた悪寒が消えた。


「私の殺意を受けても反撃してこない?悪魔憑きだったら、本能的に身を守るための防御反応、もしくは攻撃行動を取るはず・・・。反応がないどころか、動じることすらないとは・・・。もしや、邪悪な笑みを浮かべるだけのただの赤ん坊なのか?」


 そうつぶやくと、目の前のひんny


 ぞくりっ!!


「やはりおかしい。先ほどから、私の直感スキルがこの赤ん坊から不愉快な思念を感じている。直感スキルは精度は悪いが、害意には敏感。やはり、この赤ん坊は・・・怪しい・・・」


 目の前の貧乳改め、綺麗なおねーさんはなにやらぶっそうな言葉をつぶやいている。


 ふぅ、危ない。


 素直におっぱいが薄い女性のことを指す言葉を心の中で唱えるだけで、害意とやらに反応するとは・・・。もしかして、この世界はファンタジーなのか?まぁ、女性は勘が鋭いものだって相場が決まっているからそっちだろうが。


 とりあえず、こちらが友好的な存在だと認識してもらわねば、おちおち考え事も出来ないな。


「だー!」(へい!そこの肌が透けるように綺麗で聡明そうな瞳を持ったお嬢さん。俺はカワイイ赤ん坊だよ!ボク 悪いスライムじゃないよ)


 地方公務員を毛嫌いしている市民おきゃくさんの対応をしているときに浮かべていた営業スマイルを浮かべて弁明をする。

 俺はこの笑顔で、気難しい連合町内会長を篭絡して所属長からえらく感謝されたという実績があるのだ!食らうがいい!!この小娘が!


「む・・・。先ほどとは違う邪悪なものではなく、庇護欲をそそる笑顔。かわいい・・・。しかし、素直に喜べない気持ちが湧くような・・・」


 おっと、ついつい心の本音(小娘扱い)が漏れてしまったようだ。

 このメイドさん?と相対するときは心の中での会話にも気を付けないをいけないな。


 俺はそう反省すると、いたいけな赤ん坊の演技を続けた。その結果、最終的にはなにやら俺を怪しんでいたメイドも疑念を捨て去り、ニッコニコの笑顔で次の仕事へと向かうだった。


 ふぅ。

 赤ん坊やるのも結構大変だぜ!

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