第2話 おっぱいは罠でびじんきょく!?

 東欧美女のおっぱいにむしゃぶりついて大喜びの俺だったが、次第に違和感を感じるようになった。


 ん?

 おっぱいが美味しいのはうれしいことだが、これってお乳出てないか?

 夢中でしゃぶっていたので気が付かなかったが、美女のピンクのつぼみから俺の口に入ってくる生暖かい液体は・・・


 ペロリっ?

 これは・・・青酸カリっ!!(いや、死ぬって!)


 ではなく、母乳かっ!?


 なんたること!?


 目の前にあったおっぱいに何も考えずに本能のままむしゃぶりついてしまったが、これは罠だ。


 人生経験が豊富な俺は知っている。


 これは美人局だ!!


 説明しよう!


 美人局とは『びじんきょく』ではなく『つつもたせ』と言う。

 綺麗なおねーちゃんをエサにして、誘蛾灯に群がる昆虫のようにワラワラと寄ってきたモテない男からお金を自主的に寄付してもらえるように怖ーいお兄さん(自称血のつながったお兄さん。でも、20歳くらい歳が離れている)が一方的にオハナシするという都会に潜む有名なトラップだ。


 今回の場合だと、怖いお兄さんが現れて。


「ぐっひっひっ!他人の奥さんとこんなことをしていいんですかねぇ。へっへっへっ!会社に知られたらどうなっちゃうんでしょうかねぇー。はっはっはっ!最近はどこの会社もコンプライアンスとか厳しいらしいって聞きますけどねェ・・・。いっひっひっ!私も鬼じゃぁない。ここはあなたの誠意によっては、ここだけの話で納めることもやぶさかじゃぁありませんよ・・・。あひゃっ!(ものすごくいい笑顔)」


 この間コンマ1秒!!

 俺の脳裏に、上司の苦渋を舐めたかのような顔が浮かび。労働組合の幹部からは肩を叩かれる映像が浮かび上がる!


 しまった!!

 やられた!!

 懲戒免職はまずい!

 地方公務員は失業保険に加入出来ないんだ!


 心の中では葛藤がうずまくが、俺はどうしてもこの美女のおっぱいから口を離すことが出来ないでいた。


 お腹が満たされているからか。

 段々と悲観的な発想から、楽観的なものに切り替わっていく。


 毒食えば皿まで。


 もう人妻のおっぱいにむしゃぶりついてしまったのだから、とことん吸ってやろうじゃあないか!(間違った男気)


 怖いお兄さんがなんぼのもんじゃいっ!!


 そんなことを考えながら、お乳を吸っていると何故か段々と眠気が襲ってきた。


 ダメだ。

 今寝たら、怖いお兄さんに免許証とかを確認されてしまう。


 おっぱいから口を離して、とりあえず警察に連絡しよう。

 民事不介入で会話には加わってくれないけれど、怖いお兄さんも直接脅してはこれないだろう・・・。


 しかし、悲しいかな。おっぱいを吸って満腹になった俺の意識は、意思に関係なく、また深い水底へと沈んで行くのであった。

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