第21話

 みつきに言われたことだが、「君は相手の立場になって話をしている? 」

 ふっと思い出した。僕は正直、それに対してのやる気がとても薄い。


 「だって他人ってのは、自分の功績を上っ面で評価して、些事であげつらい、それで同調して固まるものじゃないか」

 例えば自分はこういった不信感を他人に持っている。いじめも受けなかったけれど。

 もちろん、この気持ちは今は大分薄れた。しかし、「相手の気持ちになって考えよう」そういった言葉を聞くたびに、自分はこの答えを思い出して塞ぎ込む。「こんなふうに考える僕は、人間の顔をした悪魔に違いない」諦めもある。


 最近どうやら、他人への不信感を題材としたボカロ曲が多いらしい。ボカロ曲だけでもない。ドラマでも、ネット民が人の心を傷つける描写も多い。他の楽曲でも。(『盗作』、『habit』)


 マイペースな面の裏には、こういったことがあったりして……。

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