疑念

 実に不思議なことである。

 一昨日、僕は自殺未遂をした。未遂と言えるほどのことなのかはさておき、確かに僕は死のうと行動を起こした。

 しかし、昨日僕はごく普通にアルバイトをした。


 このようなことはあるのだろうか?

 つい昨日死のうとしたにもかかわらず、次の日には何事もなかったかのように過ごすことができるだなんて。


 やはり僕は本気で死のうとしていなかったということなのだろうか?

 僕は何を考えているのだろうか?

 死を希求しているのか、生を希求しているのか、それとも何も考えていないのか?


 今日僕は何もしなかった。

 まるっきし何もしなかったわけではない。刺繍をした。

 非常に疲れた。僕はとても手が不器用なのだ。細かい作業が本当に苦手で、針に糸を通すのにも一苦労する。


 僕は何つまらないことを書いているのだろうか?

 もしかしたら、これを日記のように書くことによって精神的に余裕が生まれるのかもしれない。

 確かに日記はメンタルに良いと聞く。


 そうだ、これは君に向けて書く遺書だった。

 だが、今の僕はそんなこと考えていなかったらしい。

 一貫性のない人間は好かれないのに、こうもいとも簡単に脱線してしまう。

 ……ああ、今は何も書くことがない。


 僕は君を愛しているのか? 愛していたのか?

 僕はこれまでの僕と同じだろうか? それともまるっきり変わってしまったのだろうか?


 人は簡単に変われないものだが、些細なことで変わってしまうこともある。

 物事は悪い方向に転がりやすいものだ。

 さて、このような僕の変化、あるいは硬直は悪いものだろうか?


 これは誰のための遺書だ? 誰に向けている?

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