それぞれの視点 本田咲彩ver. - 92日目 -
「咲彩! 起きろー!」
うーん・・・布団取らないで・・・。もう少し・・・
「起きろっての」
今度は枕を取られて頭カクンってなった。うーん・・・
「早くしねぇと遅れるぞー」
かよ姉にそう言われて無理矢理着替えさせられ連れていかれる。
「咲彩、またその髪なの・・・はい洗面所行くよー」
「うーん・・・」
私は朝はものすごく弱い。今も起きているのか寝ているのかよくわからない。視界もぼやけている。そんな私をさく姉が洗面所まで連れて行く。
「これ直すの時間かかるのよ。はい座って」
と言いつつさく姉は慣れた手つきで私の髪を直していく。時間かかると言っておきながらものの10分で
「はい終了! 朝ごはんで来てるから食べちゃってね」
終わったと同時に私の肩を叩いた。その衝撃でようやく起きていることを自覚できた。もう朝か。
リビングに行くとおとうがもう家を出るところだった。
「行ってくるー」「はい行ってらっしゃい」
さく姉が自分で作ったお弁当をおとうに渡して敬礼して出て行く。いつもの日常だ。おとうは自衛隊勤務だから職業病とでも言えば良いのか。たまに変なことをする。朝の敬礼もその一つだ。
「あ、そうそう。明日合唱コンクールじゃなかった?」
「ん? ああ」
「あ? あー、そんな季節かー」
「私たちも行って———」「大学どうするんだ? それに、文化祭のことだって色々忙しいだろ」
「それ言っちゃったらねぇ。じゃあどうやって現地まで行くのよ」
「・・・今日学校で聞く」
「聞けんのか? 昨日だってすげー疲れた顔して帰って来てたのによ」
「誰のせいでこうなったと思ってるんだ」
「でもいいでしょ。楽しいから」
「・・・うん」
楽しいか否かで言うと楽しい。さく姉とかよ姉が前面に出ているあの計画のことも。それを手伝うことも。他の人が家に来ることもあるが。それもさく姉とかよ姉の知り合いだから接していて不快には思わない。
えーっと・・・忘れ物は・・・ないな。さく姉にもチェックしてもらったし。今日は雨降ってないな。
「おっはよーございまーす!」「おはよーございます」
この声はココとわたりんだ。もう来たのか。じゃあ行くか。最後に彩夏にも触っておこう。今日も温かくていい匂い。ああ、彩夏はうちで飼ってるハスキーだ。
「行ってくる」「行ってきまーす」「いってきあす」
「はいはーい」
さく姉だけか。かよ姉は何しているのかよくわからないけどまぁいい。学校に行こう。
そうして学校に行ったはいいがそうだった。昨日と同じことになった。私を見つけるや否やみんながさく姉とかよ姉のことを聞いてくる。もう同じ説明を昨日だけで10回はしてると思うが今日もすることになるのか。まぁ同じ人がずっといるとかそういう感じじゃないだけまだいい。私はあくまで説明をするだけだ。相手側も突然の発表でいろいろ混乱してるだろうから。
× × ×
朝の会でこんなことが言われた。明日行われる合唱コンクールの順番を決めるくじ引きをやるらしい。今日の昼休み、クラスの代表者一人が集まってくじ引きをやるそうだ。くじとは言っても大まかな順番は決められている。まず最初に一年のどこかのクラス、次に二年のどこかのクラス、次に三年のどこかのクラス、次に一年のどこかのクラス・・・という風に進行していく。そのどこかのクラスを決めるくじ引きをやるようだ。私の希望としては真ん中くらいがいい。最初は緊張するから嫌だし。最後まで引きずるのも嫌だ。真ん中がちょうどいい。私が緊張するかだが、緊張する。テニスの大会の時の緊張感とはまるで違う。実際にやってみればわかる。
そしてそのくじを誰が引くかについてだがクラスの代表、普通だったら学級委員なのだがその辺は明確に決まってはいない。だから指揮者が行くことも伴奏者が行くことも、全く関係ない人が行くこともある。そしてその全く関係ない私がなぜかくじ引きに行く人に選ばれてしまった。でも反論は出来ない。どうするかということでみんなで先生とじゃんけんという方式を取った。その結果私が最後まで勝ち残ってしまった。これは運がいいのか悪いのか。
肩を落とす私をみんなが鼓舞してくれた。私に過度に期待するのはちょっとどうかと思うがせっかく期待されたのなら応えてやらないとならない。おし!
朝の会ではもう一ついつもと違うことがあった。風紀委員による不定期の服装チェックだ。今回は明日合唱コンクールがあるからだろう。舞台に立つにふさわしい服装かどうかをチェックするといったところか。私の高校ではよほど変な髪形じゃない限りある程度の自由は認められている。例えば最近聞いたブラック校則に当たるポニテとかツーブロ禁止はない。男子で襟足まで髪を伸ばすのもオッケー。髪を染めるのもオッケーだ。ただ、染める髪の色には規定があるが。私の場合はもともと淡い紫色をしている。とある高校では地毛証明書というものが必要になる髪色なのだがうちではいらない。まぁ姉二人もずっとこの髪だったし。今更染め直そうとも思わない。
今回の服装チェックでは私を含めて誰も引っ掛かることはなかった。これであとはくじ引きと姉二人の説明というところか。
× × ×
昼休み、くじ引きの時間になって会議室、以前私の件で裁判? 審判? を行った部屋にクラスの代表が集まった。9組はというと・・・
「ん? 何でさーちゃんなんだ?」
ふららんだった。伴奏者って言ってたしその辺は納得だ。
「クラス全員でじゃんけん大会をして最後まで勝ち残ってしまったからだ」
「・・・気の毒だな」
本当にそうだ。変な順番を引かなければいいのだが。
「それではみなさーん! くじをどぞどぞー!」
生徒会長の佐倉先輩がくじの入った箱をぶんぶん揺らしながら一人一人周っている。まずは一年生が引いて順番が決められる。そのあと控えるのが二年生だ。一組から順に引いていって私の番が来た。箱の中をまさぐるが、うーん・・・これだな。
全員引き終わって一斉に紙を開ける。ドラフト会議みたいな光景だ。さて、私の紙に書いてある番号は・・・
「3番・・・まぁ悪くないか」
1番や10番ではないだけまだいい。ああそうだ、9組はどうなんだ? ふららんがすごい暗い顔をしている。やらかしたみたいな顔をしている。その紙を覗いてみると
そこに書いてあった数字は10。
「トリか」
「言わなくてもわかってる。どうやって言おう」
もう変えられない結果だから何言われても変わらないのだがまぁいる人がいる人だからな。私から慰める言葉を少しかけてあげるか。
「トリなのだとしたら審査員のインパクトに残りやすいってことだ。何かしようとしている9組にぴったりの順番だと思うな」
「何かしようとしてるって何で知ってるの? どこ情報それ」
「いや、ココとかわたりんの会話を聞いていればそんな風に受け取れるからな」
「そうか。・・・さーちゃんの今言ったことをそのまま言うか」
「好きにしてくれていい」
さて、くじ引きで悪い引きをするということは逃れられた。これで教室にいるみんなにいい知らせが出来る。
教室に帰ってみんなに順番を伝えると喜んでいた。みんなして考えは同じということか。それとさく姉とかよ姉の件についてはようやく解放されてみんなからあれこれ聞かれることはなくなった。ふぅー・・・疲れた。
× × ×
放課後、いつもより終わるのが早い。その分練習もあるが。いよいよ大詰めだ。昨日今日と最初から通しでやっていて細かいところの修正を行う感じになっている。アオの伴奏も本番が近づくにつれてだんだん力が入ってきている。あと一息だ。
最後にもう一度通しで合わせたとき今までで一番いい感じに歌えた。よかった。そしてみんなで明日全力を出そうということでクラス全員で円陣を組んだ。いい雰囲気だ。この光景は忘れないようにしておこう。
練習が終わった後、部活に行く前にアオとひなっちに呼ばれた。
「さーちゃん明日どうやって行くの?」
「ああ、考えてなかった」
「あのお二人の車に乗るにしても・・・」
そうだ。明日どうやって行くかを考えていなかった。まぁ私だったら電車でもいいのだがそれをするとココやわたりんに反対されそうな気がする。だからと言ってさく姉とかよ姉の車に乗るにしてもどっちも朝から講義があった気がする。しかもさく姉とかよ姉が現地に行ったとなればまた前みたいに騒ぎになるに違いない。
「とりあえず、みんなのところ行こ。ちょっとくらい部活遅れても大丈夫でしょ」
「ああ、そうしよう」
そしてみんなのところ、9組の教室に行く。道中アオの車いすを押しているのはひなっちだ。第三者目線の私から見てみて思う。車いすに座っているアオとその車いすを押しているひなっちの身長がそんなに変わらない。もともと目線の高い私だからというのもあるだろうが。
9組に行くとやはりココたちもその話をしていた。
「あ、さーちゃんアオひなっちー!」
「さーちゃん来れたのか。よかったな」
部活の無い人たちは当然だが、いつもは部活のある慎ちゃんや健ちゃんもいる。
「久しぶりの勢ぞろいだな。で、明日の移動手段の話だったか?」
「そーそー。みんなは何で行くの?」
「私はいつも通り車かな。あ、もちろんひなっちとか健ちゃんとかふららんも送ってくよ」
「いや、僕は大丈夫かな。会場までは歩いて行ける距離だからね」
「なるほど。今ので健ちゃんの家がどの辺にあるかだいぶ絞れたな」
「あまり詮索しないでほしいな」
「俺の前でよくそんなこと言えるな」
「それよりもアオ、さっき私の名前無視したでしょ」
健ちゃんは大丈夫なのか。だとするとアオの車に乗っていくのはひなっちとかなたん、ふららんか。あ、そういえば
「マナはどうしたんだ?」
「バンド活動中ってとこだな。終わるや否や飛び出していったぞ」
そうか。そういえば7月になったら本格的にやるみたいなこと言ってたな。
「マナには私が聞いておくよ。マナって結構自己中よね」
「それ後であいつに言っておくわ」
「ちょっと待って今の無し! 聞かなかったことにして!」
「無理だな、俺がそうしたとしても絶対誰かが言うぞ。ココとか佳那とか」
「言わないよ!」「ねぇ、私ってそんなに信用ないの?」
「完全に言葉の綾だったわ。でも悪い意味で言ったんじゃないからね。自己中だって良いときあるんだから。それに自己中で言えば光ちゃんもそうよ」
「今のは悪口だろ。まぁいいや。で、そっちはいいとして。こっちはどうすんだよ」
「俺は光ちゃんの車に乗ってく気だけどな」
「さも当然のように言うな。て言っときながらどうせ他のやつも乗ってくんだろ」
「よろしくお願いします!」「おねがいしあす!」
「私も頼めるか。さく姉とかよ姉は朝一で講義があって送れないから」
「へいへい、帰ったら言っとくわ」
これで移動手段はどうにかなった。帰りは・・・みんなに従っておけばいいだろう。
明日のことが決まったところで部活に行く。大会も近いから入念に調整といったところだ。私自身スケジュールが結構過密な気がするがさく姉かよ姉はこれ以上の過密スケジュールをこなしている。せめて大会の日をもう少しずらしてくれればと思うのだがどうにもならない。今週の金曜土曜、そこに向けてこっちも最後の調整だ。
今日は実戦形式の打ち合いを1回やることとなった。相手は部長の東雲先輩。あの一件以来東雲先輩とは毎日必ず一回は打ち合いをしている。後輩の私が言うのは失礼だが東雲先輩もだいぶ仕上がっている。次のラストの大会に向けて準備はバッチリと行ったところだ。
今日の部活は早々の切り上げとなった。理由は明日の合唱コンクールだ。来れなくては意味がないということで早めの切り上げとなった。あとは大会直前に追い込みをかけるのは良くない。こんな大事な場面で怪我なんかしてしまえば誰だって後悔する。一応挨拶も終わって各々帰宅の準備に入る。だが私は家が近いからもう少しやっていこう。
「咲彩、私の相手をもう一度してくれないか?」
そう声をかけてきたのは東雲先輩だ。特に断る理由もなかったので
「はい。お願いします」
そうしてもう一度練習に付き合う。
しばらく打ち合いをしていると
「咲彩、その・・・聞きたいことがあるんだけど」
何だろうか。私に聞きたいこととは。
「SAKU-KAYOの二人って試合見に来るのか?」
「ああ、間違いなく来るでしょうね。ただ気づかれないようにして来ると思うんですけど」
「そ、そうなのか・・・」
「でもかよ姉はすぐわかりますよ。全然隠れてませんから」
「隠れてない?」
「どうせかよ姉の事だから半袖半ズボンのへそ出しサングラスで来ると思うのですぐわかると思います」
「・・・なんとなく想像ついたわ」
これは前やったことがあるからだ。まださく姉とかよ姉の名前が知られる前、私の応援をしにかよ姉は実際にその服装で来たことがある。そのせいで注目を浴びたのは言うまでもない。ちなみにその時さく姉は他人のフリをしていた。
「もし何かしてほしい事でもあるんでしたら私から言っときますけど」
「じゃあ、応援とか」
「わかりました。言っときましょう」
東雲先輩嬉しそうだ。そうか、東雲先輩に限らず3年生はこれで最後の部活なのか。
× × ×
家に帰って最初に行うのは彩夏を撫でることだ。おぉ、いい毛並みだ。まだ誰も帰ってきてないのか。とりあえずお風呂にでも入るか。
お風呂に入っていると外で音と声がした。この声はおとうだな。
出て着替えると
「咲彩、制服脱ぎ散らかしてると咲夜に怒られるぞ」
うっ、それは嫌だな。片づけよう。
「ただいまー。あー咲彩! 制服ー! ちょっと待ってアイロンかけるから!」
見つかってしまった。まぁいいか。どっちにしても明日はちゃんとした服装で行かなきゃならないから。
家の中だからだろう。さく姉以外はみんなラフな格好だ。おとうはタンクトップ、私は前着ていたウェアを部屋着代わりに、かよ姉は帰って来るや否や着ている服を脱ぎ捨てて下着姿になっている。うちはいつもこんな感じだ。対してさく姉は家だろうと休日だろうとしっかりした服装でいる。これを見て思う。私やかよ姉はおとうに似たんだなと。ああそうだ
「さく姉かよ姉、私の大会は見に来るのか?」
「当然! パパも来たらいいのにねぇ」「ほんとだよ。それでも親かっての」
「夏夜、じゃあ俺の代わりに自衛隊行ってくれんのか?」
「残念、アタシも応援があるから無理! 時期が悪かったな」
「夏夜だったら普通以上に自衛官の素質あるんだけどなぁ」
「あぁ? なるかっての。今みてぇに自由じゃなくなるじゃんかよ」
「お前は自由すぎるんだよ。もうちょっと自重しろ!」
「自重してるわ! 昔と比べてマシになったじゃんかよ」
「はいはいその辺にして。何二人してムキになってんの」
おとうとかよ姉がぶつかるのもしょっちゅうだ。もう慣れた。それを止めるのはいつもさく姉、私はその時はいつも彩夏とじゃれている。おかあとさく姉が言っていた。この二人はいつまでたっても子供みたいだと。確かに子供っぽいと言えば子供っぽいな。私がそう思うくらいだ。
「そうだ咲彩。明日どうやって現地まで行くつもりなの?」
「ああ、こっちにいる人たちみんなで光ちゃんの車に乗っていくつもりだ」
「いいよなぁ咲彩は。俺なんか鬼教官って呼ばれて友達なんか減ってく一方だ」
「はっ! 自業自得だな」
「夏夜も人のこと言えないだろ! そのひん曲がった性格誰に似たんだか」
「おとうの親だろうが。自覚しろ」
このままだとまた言い合いになる。こうなった時は
「彩夏、ゴー」
「ぐはっ!」
彩夏をどっちかに突進させる。どっちに行くかはその時の彩夏の気分次第だからどっちに行くかはわからない。今日はかよ姉の方に行ったな。
「喧嘩してないでほら。夕飯の支度手伝って」
この家の母親的立場は間違いなくさく姉だ。さく姉がいなかったらこの家は間違いなく崩壊しているだろう。逆にさく姉に任せられるからおかあも単身赴任出来ている。本当にさく姉はすごい。
夕飯を食べているとき話題に上がったのはさく姉とかよ姉の事だ。
「咲夜と夏夜もずいぶんなことやってるがどうなんだ?」
「順調よ。周りの協力者もどんどん増えて来てるし、歌の先生もめどがついたし、動画制作も一緒にやってくれる人いるし。あそうそう、しばらく隣出入り多くなるからね」
「はぁ・・・あんまり連れてくんなよ。大変なんだぞ、あいさつ回りとかいろいろ」
「それやってんのさく姉だろ。自分事みてぇに言うんじゃねぇよ」
「自分事だろ。俺の家なんだから」
「アタシの家だっつーの」
「名義は俺だ。勘違いすんなよ。まぁでも咲夜と夏夜が選んだ人ってんなら問題ないわな」
「大丈夫よ。私たちの観察眼はママ譲りですから」
確かに。さく姉とかよ姉は人を見る能力がすごい。特にさく姉は後輩モデルの発掘とかも行っているとも聞いた。さすがだ。
「咲彩、明日大丈夫そう?」
明日、合唱コンクールのことを言っているのだろう。それなら
「ああ、大丈夫だ」
「そうだ、明日合唱コンクールだったな。いいか咲彩、コンクールとはいえこれは勝負だ。だから全力を出さなきゃダメだぞ。全力を出さない勝負ってのは相手に失礼だ。わかったか?」
「また始まったよおとうの勝負理論。言われなくても咲彩はわかってるっつーの」
「いーや! こう言うのは何回も言うことで身に付いてくるんだよ。だてに教官やってないからな」
「ああ、わかった。勝負するからには全力で、そして勝つ。だろ」
「その心意気だ! かましてこい!」
そしておとうとグータッチをする。これは勝負事の前の通例といったところだ。一番最近だとさく姉とかよ姉のテレビデビューの前日にも同じことをやったし聞いた。でもこの言葉は私の胸に深く刻まれている。明日が勝負だ。勝負するからには全力で、そして勝つ!
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