普通= - 7日目 -

 二年が始まりはや一週間。この一週間で俺の日常は大きく? 変わった。朝、学校に着けば一条と渡が迎え、授業中俺が寝ていたら渡に横からつつかれ、休み時間になると慎が来て俺と話をし、昼休みはこの三人と昼を食べる。帰りも一条と渡がついてきて車まで移動し、そして帰路につく。


 一年の時の俺は、今こんな生活になっていることを予想していなかった。俺は自分が『障がい者』であることからほかの人との接触を極力避けてきた。クラスでは常に一人、接触があるとすれば移動の時、クラスの人が俺を誘導したことくらい。その時から比べれば、いや、比べるまでもない。今は充実しているとは思う。


 でもこれは『普通』の生活なのか? 俺にとっての『普通』は今なのか? それとも一年の時の生活なのか? 母親から言われたことを参考してみると、『普通』の生活に近いのは間違いなく今だ。しかしどうもしっくりこない。今の生活も『普通』な気がしない。一年の時の生活がマイナスだとすると今はプラス、『普通』とはプラマイゼロ。やっぱり『普通』じゃない。

 

 俺の求める『普通』とはいったいどこにあるのか・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る