第30話 ガーデンライトをぶっ刺すぞ
翌朝、すっきり晴れた空に、いいことがありそうな気分になる。
朝食は最近定番になっているハムエッグサンドにコーヒー。野菜不足が気になるところだけど、生野菜はなかなか厳しい。それに、まだ日中は暑いから、カレーみたいなのを作り置きもできないのが難点。
今日は手持ちのインスタント類で凌いで、明日、買い物に行って来よう。
「何せ、今日はやりたいことあるしね」
そうだ。ガーデンソーラーライトをぶっ刺すのだ!
「違う、違う、草刈り、草刈り」
ガーデンソーラーライトもやりたいけれど、その前に、ポータブル電源を充電せねば。草刈り機も充電しないといけないから、時間かかりそう。
「ほんとは管理小屋で充電させてもらいたいところだけど……さすがにね」
電気代払うからって言えば、充電させてもらえるだろうか、とも考えたけれど、せっかく山の生活なんだし。
食事を終えて、諸々朝の準備を終える頃には、すっかり太陽の光が、開けた場所全体を照らしてる。
「よーし、まずはっと」
車に詰め込んでいた折りたたみのソーラーパネルを出す。これで、どのくらいの時間で、充電が終わるのか。説明書を読むと、結構かかりそうだったんだよね。
「じゃあ、その間にライト、ライト」
箱の中には12本しかない。
この土地はそれなりに広い。全部刺したとしても、きっとぼんやりとした明かりにしかならないだろう。
「とりあえず、入口のところに2本と」
この土地の入口、車が入ってくる場所に2本。本当は街灯のようなものがあったほうがいいのかもしれないけれど、とりあえず、これで代用。真っ暗闇の中を走るのって、疲れるから。
そのうち、門扉みたいなので仕切りをしたいかもしれない。
……誰が来るわけでもないのだろうけれど。
「あとは、トイレに2本と……あとは雑木林との境目かな」
残りは8本しかないので、テントから見える正面の際あたりに、だいたい3mくらいの間隔で刺していく。さすがに、一番遠いところまでは無理だけど、これくらいだったらいいだろうか。
「うーん、できれば柵みたいなのも出来たらいいなぁ……『タテルクン』で出来そうだけど、素材を集めないとだし……電動ノコギリの活躍に期待かな」
そのためにも充電できないと意味がないんだけど、まだまだ時間はかかりそうだ。
「それじゃ、あっちの道の入口の草刈りでもしますか」
私は引っ越す直前に購入しておいた草刈り鎌と軍手を、車のトランクから探し出した。それと、腰には蚊取り線香。草があるところには、蚊は絶対いる!
「うん? ちょっと日差しが強いかも……麦わら帽子は……と」
帽子をかぶり、鎌を片手にした私。タブレットで場所は確認済み。
「いざ、出陣~」
草ぼうぼうの、道とは思えない場所へと向かうのであった。
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