第21話 移動時間にアプリの復習
今回もやっぱり下道を通って、キャンプ場へと向かう。
長い移動時間、タブレットを手に入れてからのことを思い出していた。
* * * * *
タブレットの画面にあるアイコンは2つのみ。
1つ目の『ヒロゲルクン』は、開拓アプリ。
メインは開墾に関する機能がついているようで、『伐採』や『整地』などの機能が使えるみたい。他にも『採取』や『栽培』なんていうのもあるから、本当に開拓に関する機能を持っているようだ。
そして、それを利用するためにKP(開拓ポイント)というのがあるらしく、それを貯めて機能を利用することができるらしい。
どうやって貯めるのかと気になっていたのだけど、すでに1520KPが貯まっていて驚いた。一応、内訳を見ることが出来て、1000KPはボーナスポイントらしい。イグノス様かお稲荷様か、どちらかがおまけしてくれたのかもしれない。
残りの520KPは、どうも私が異世界キャンプをしている時に、草むしりや伐採したことがポイントとしてカウントされているみたい。
これを考えてみると、KPは、アプリを利用しないで実際に行動した場合、内容に応じて加算されていくようだ(ただし、機能を使うためにKPを利用した場合は、KPは発生しない。単純にマイナスされる)。
自力でできることは極力自分でやって、難しい作業、例えば山の斜面を崩したり、補強したり、といったものをアプリでやるようにすればよさそうだ。
2つ目の『タテルクン』は建築アプリ。
家や倉庫の他、敷地の塀みたいなのも作れるみたい。当然、トイレや風呂小屋も含まれているようで、これらのポイント(同じくKP)は赤字で訂正が入れられて、半分の値になっていた。
もしかして、これを建てるために、ボーナスポイントをつけてくれたのかな。
しかし、これがなかなかの曲者で。
建築できる建物の種類がいくつかある。初期のものは、それこそ『テント』だったり『小屋(床は土)』みたいなのから、最終的には『城』なんていうのまである。必要ポイント数を見たら、私が生きている間に貯められるような数ではなかった。
それはそれとして。普通の家、例えば『ログハウス』なんかもあるにはあって、これには風呂・トイレ付と書かれている。
そう! 風呂もトイレもついているのだ!
ただし、この『ログハウス』、1500KPで、これを使ってしまうと、残り20KPしか残らない(ついてないのは1000KP)。
ちなみに、簡易トイレは250KPから割引されて200KP、風呂小屋は500KPが300KP。
手持ちのKPをほぼ使い切って『ログハウス』を建てるべきか。それとも、簡易トイレと風呂小屋のテント生活で、もう少しKPを貯めてからにするべきか。
「あの『収納』っていうのも怪しいもんね」
ハンドルを握りなおしながら、お稲荷様に色々聞いてからにしよう、と心に決めたのであった。
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