第2話 人をまとめるということ(2/100)

 自分は幼い時から前に出ることが得意だった。小学校のクラスの班分けでは必ずと言っていいほど班長だったし、中学校の時の合唱コンクールでも取りまとめをしており、高校の風紀委員会でも委員長を務めていた。大学生になってもそれは変わらず、4回生の研究室配属でもリーダーをやっていた。


 そんな人間が社会に出てもスタンスが変わるわけがなく、職に就いて部署に配属になってもなお、とりまとめをする業務をしていた。


 職業に関する話はまた別の回で


 そんな中、Vtuberを始めることにした。理由はテレワークで在宅が多くなったことである。ただ単に趣味として始めたまでだが、一人で何かをつくることは自分にとってとても新鮮でワクワクが止まらなかった。


 はじめは、ゲーム実況をたまにアップするだけだったし、誰かに見られるということを特段意識もしていなかったので気軽にやっていた。そのスタンスが大きく変わったのは、Vtuberの将棋大会に出てからだったと思う。V名人戦という大会だ。


 将棋を始めて3か月くらいだったので勢いで出ただけだったが思いのほかハマってしまった。正直物足りなかった。


 すぐに自分でも将棋大会を開き自分も参加しようと思った。4日ほどで草案を作り、3週間ほどで募集して、1か月で完遂した。今思うとその大会をやろうとしていること自体、無意識に自分が『人をまとめること』が得意なのだと思っていたんだと思う。※現在も第2期を開催中のV竜王戦という大会の話。


 この経験からいろんな企画に手を出した。大なり小なりうまくいったと思う。ただ、何をやっても予期せぬことが絶対起こる。今までこんなに予想から外れたことがあったかというほどに。


 失敗はしなかった。


 この話の流れならそろそろ”転”が来る頃だろうと予想した方もいるでしょうが、人の人生そうそう転機は訪れない。ただ、キャパシティは埋まっていく。手を広げれば広げるほどに。


 いつか壊れそうだとは分かっていても今じゃないと思ってしまう。


      

       一人でチキンレースをしています。

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