探偵小説が私たちの前で、組み上がっていく。ちょうど水を張った鍋に入れた卵が茹で上がっていくように…。この小説の中に、私たちは「人間」を見る。その鋭い目は私の脳を貫いて、鋭い刃となって私の胸に突き刺さりました。これはすごい。これはすごい。素晴らしいです。
読み終えて、まさに同感。煽り文句にある通り、精緻でビターなミステリーで、「偽物の」少女たちの、真実を暴く話。クールな主人公の冴えが爽快でスッキリと帰着するので読後感もとても良い。読みごたえのある短編を堪能させて頂きました。