劉庫仁2 被殺

淝水ひすいの戦い後、慕容垂ぼようすいが自立し苻丕ふひの守るぎょうを包囲。慕容垂は合わせて将軍の平規へいきしょうに派遣、王永おうえいを攻撃させた。


劉庫仁りゅうこじん苻堅ふけんより爵位を得ている関係から王永を救助するべく妻の兄である公孫希こうそんきに騎兵三千を与え、平規を攻撃。大破する。このとき平規軍から降伏してきた五千人あまりを穴埋めとした。公孫希軍は勝ちに乗じて更に進軍、唐城とうじょうに拠点を置く。ここで慕容垂の息子である慕容麟ぼようりんと対峙した。


劉庫仁は公孫希が平規を破ったと聞き、大軍を率いて苻丕を救援せんと動く。雁門かんもん上谷じょうこくだい兵の兵を動員、繁畤はんしに到着した。


これより以前、慕容文らが長安ちょうあんに連行されていたが、独孤部を頼りに亡命してきていた。彼らは慕容の元に返りたいと考えていたが、その手立てを探りあぐねていた。そして今回の劉庫仁による慕容部討伐である。慕容文たちにとっては最悪の展開である。そこで慕容文らは劉庫仁が徴発しようとした三郡の兵を率い、劉庫仁を攻撃した。劉庫仁は馬房に隠れたがやがて見つかり、殺された。そして慕容文は劉庫仁の馬を奪い、慕容垂のもとに亡命した。


公孫希は変事を聞き、唐城から丁零ていれいのもとに逃れた。




後慕容垂圍苻丕于鄴,又遣將平規攻堅幽州刺史王永于薊,庫仁自以受堅爵命,遣妻兄公孫希率騎三千,助永擊規,大破之,阬規降卒五千餘人。乘勝長驅,進據唐城,與垂子麟相持。庫仁聞希破規,復將大舉以救丕。發雁門、上谷、代郡兵,次於繁畤。先是,慕容文等當徙長安,遁依庫仁部,常思東歸,其計無由。至是役也,知人不樂,文等乃夜率三郡人,攻庫仁。庫仁匿於馬廐,文執殺之。乘其駿馬,奔慕容垂。公孫希聞亂,自唐城走於丁零。


(魏書23-4)




劉庫仁は英傑だと思ったんですが、自分たちが抱えていた慕容部がどう思うかを測りきれなかった感じなんですね。ぶっちゃけなんで死んだのかいままで分かってなかったんですが、こりゃやられるわと納得しました。慕容部身内に抱えといてその動きはないですわ……せめてパージしときましょうよ。


と、結果からは言えるんですけど、この辺りは平生からの劉庫仁と慕容文との関係が見えないからには何も言えないんですよね、本来。

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