劉庫仁1 拓跋の宗門

劉庫仁りゅうこじん。もとの字は沒根ぼっこんといい、匈奴漢の劉淵の宗族に当たる劉虎の、更に宗族である。別名は洛垂らくすい。幼いころより豪壮さを備えており、智略も兼ね備えた。母は拓跋鬱律の娘、すなわち拓跋什翼犍の姉妹である。一方で拓跋什翼犍もまた劉庫仁の宗族の娘を妃に迎え入れ、南部大人に任じられた。


長じた劉庫仁は西方の庫狄こてき部を討伐し、多くの畜産を獲得。更に部民を率い、桑乾川そうかんせん近辺に拠点を移した。


拓跋寔の内乱によって拓跋部が大いに乱れ、やがて前秦に滅ぼされる。この際劉庫仁はあくまで拓跋部に属するものとしての立場を貫いたため、苻堅より気に入られた。苻堅は劉庫仁に公孫こうそん氏の娘をめあわせ、また多くの資源を下賜した。劉庫仁もまた苻堅のもとに詣で、苻堅より振威將軍の官位を下された。




劉庫仁,本字沒根,劉虎之宗也,一名洛垂。少豪爽,有智略。母平文皇帝之女。昭成皇帝復以宗女妻之,為南部大人。庫仁西征庫狄部,大獲畜產,徙其部落,置之桑乾川。苻堅賜庫仁妻公孫氏,厚其資送。庫仁又詣堅,加庫仁振威將軍。


(魏書23-3)




淝水前は省略とこそ言いたいんですが、独孤部との関係はきっちり踏まえないとダメよね、的なアレ。

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