莫雲   西の重鎮

莫題ばくだいの弟、莫雲ばくうん。学問を好み、射撃に長けた。

拓跋珪の時代に常典選曹に任じられており、のちに給事中に転じた。功績を挙げたことから安德あんとく侯に封じられた。執金吾に移り、常に北魏における軍略会議に参与していた。


拓跋燾たくばつとうの時代になると、赫連昌かくれんしょう討伐に従軍。こののち莫雲および拓跋素たくばつそ統萬城とうまんじょうの守備が任された。


爵位は安定あんていにのぼり、平西將軍が加えられ、更に鎮西大將軍に昇進した。夏を平定した当初、地元の者たちは北魏に従うのを快く思っていなかった。しかし莫雲が旧夏人および北魏人を等しく慰撫したため、みなが収まるべきところに収まった。


神䴥じんか年間、すなわち 430 年ころに死亡した。敬公と諡された。




題弟雲,好學善射。太祖時,常典選曹,轉給事中。以功賜爵安德侯。遷執金吾,常參軍國謀議。世祖之克赫連昌,詔雲與常山王素留鎮統萬。進爵安定公,加平西將軍,後遷鎮西大將軍。時初并河西,人心未一,雲撫慰新舊,皆得其所。神䴥中卒,諡曰敬公。


(魏書23-2)




拓跋も、なんだかんだで旧来の臣下も結構大事にしていたっぽいですよね。というか兄なんかどうでも良くてもっと弟について語るべきだろこれ。拓跋燾時代初期の西の重鎮と化すなんて相当ですよ。


ちなみに拓跋素は常山王ですから、拓跋珪の娘にちょっかいかけて殺された、あの拓跋遵たくばつじゅんの息子。父は庶人として葬られてたけど、やっぱり息子は重鎮に上り詰めてるんですね。

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