道武子3 拓跋紹3

拓跋珪たくばつけい拓跋紹たくばつしょうに殺されるより以前、拓跋嗣たくばつしは外に出ており、変事の発生を聞いて近くまで帰還、山中に潜んだ。そして山中より安同あんどうのもとに使者を飛ばし、近くに戻ったことを告げさせる。すると多くの者が拓跋嗣についた。


拓跋嗣が城の西に到着したところで、衞士らは拓跋紹を捕らえ、拓跋嗣のもとに引っ立てた。拓跋嗣は拓跋紹や母の氏、更には拓跋珪を守らねばならなかったはずの寝室まわりの宦官や、拓跋紹に呼応し我先にと拓跋珪のもとになだれ込んだ護衛兵らもあわせて処刑した。群臣は城の南にて、彼らを生きながらにして切り裂き、食べた。拓跋紹はこの時 16 歳であった。


拓跋紹の母は拓跋珪の母の妹である。美しく、振る舞いも洗練されていた。拓跋珪が独孤どっこ部から逃れて賀蘭がらん部に逃げ込んだとき、賀氏を見初め、母に向けて娶りたい旨を伝えた。しかし拓跋珪の母は言う。

「なりません、あれは美しすぎる。良くありません。しかも、あの子にはもう夫がいるのですよ」

拓跋珪はその夫を暗殺し、側妾として迎え入れた。そして拓跋紹を生み、ついにはこの災いを招き寄せたわけである。



先是,太宗在外,聞變乃還,潛于山中,使人夜告北新侯安同,眾皆響應。太宗至城西,衞士執送紹。於是賜紹母子死,誅帳下閹官、宮人為內應者十數人,其先犯乘輿者,羣臣於城南都街生臠割而食之。紹時年十六。紹母即獻明皇后妹也,美而麗。初太祖如賀蘭部,見而悅之,告獻明后,請納焉,后曰:「不可,此過美不善,且已有夫。」太祖密令人殺其夫而納之,生紹,終致大逆焉。


(魏書16-3)




(拓跋珪自業自得じゃね……?)

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