勃勃20 功徳頌


於赫靈祚 配乾比靈斯

  ああ、赫々たる神霊の在す霊廟よ。

 天の極みに配食されたる神霊よ。


巍巍大禹 堂堂聖功

仁被蒼生 德格玄穹

帝錫玄珪 揖讓受終

哲王繼軌 光闡徽風

道無常夷 數或不競

 偉大なるかな王、

 堂々たる功績のお方。

 仁を民に施す、

 その徳は天に届かんばかり。

 しゅんより禅譲を受けてのち、

 賢王が家門に継いであらわれ、

 天下の風俗をお清めになった。

 しかし政とは無事なままでもおれぬ。

 ついには、他の国の王に敗北した。


金精南邁 天輝北映

靈祉逾昌 世葉彌盛

惟祖惟父 克廣休命

如彼日月,連光接鏡

 なれど南で金徳の国が立ったとき、

 天は北の地をまばゆく照らす。

 霊妙なる光は代々まばゆさを増し、

 わが祖父、我が父の代にいたり、

 ついに天命は結ばれた。

 それはかの太陽や月にも負けぬほど。


玄符瑞德 乾運有歸

誕鐘我後 應圖龍飛

落落神武 恢恢聖姿

名教內敷 群妖外夷

化光四表 威截九圍

 符瑞が帝王への到来を告げ、

 ついに帝王はお立ちになった。

 無双の神武と、堂々たるお姿。

 国内には聖徳を施され、

 群妖は国外へと退けられた。

 その聖徳、その威武は、

 天下にあまねく示されたるところ。


封畿之制 王者常經

乃延輸爾 肇建帝京

土苞上壤 地跨勝形

庶人子來 不日而成

崇台霄峙 秀闕雲亭

千榭連隅 萬閣接屏

晃若晨曦 昭若列星

 国の都は、王がお定めになるもの。

 そこで公輸こうゆ王爾おうじのごとき名工を招き、

 帝王の都がたてられた。

 大地は肥沃、守りにすぐれるその地に、

 民は我先にと集まり、

 都をすみやかに完成させた。

 崇台は空にそびえ、

 秀闕は雲のように高い。

 数多なす建物が軒を連ねて

 日差しを照り返し、輝くこと、

 あたかも群星のごとし。


離宮既作 別宇雲施

爰構崇明 仰准乾儀

懸薨風閱 飛軒雲垂

溫室嵯峨 層城參差

楹雕虯獸 節鏤龍螭

瑩以寶璞 飾以珍奇

 離宮、別殿もまた多く建てられ、

 帝王の崇高明察なるを示し、

 天をたてまつる儀礼をなす。

 その有様は、豪華絢爛、

 と称するにふさわしい。


稱因褒著 名由實揚

偉哉皇室 盛矣厥章

義高靈台 美隆未央

邁軌三五 貽則霸王

永世垂節 億載彌光

 多くの称賛が寄せられ、

 その名声はいや増す。

 偉大なる皇室よ、秀逸なる章句よ。

 霊台に高く大義が示され、

 未央宮に美事が示される。

 帝王に示される規範を、

 永らくの世に伝え、

 その輝きを、億年もたらさん。



以上の詩賦は、胡義周こぎしゅうによるものである。




於赫靈祚,配乾比靈斯。巍巍大禹,堂堂聖功。仁被蒼生,德格玄穹。帝錫玄珪,揖讓受終。哲王繼軌,光闡徽風。道無常夷,數或不競。金精南邁,天輝北映。靈祉逾昌,世葉彌盛。惟祖惟父,克廣休命。如彼日月,連光接鏡。玄符瑞德,乾運有歸。誕鐘我後,應圖龍飛。落落神武,恢恢聖姿。名教內敷,群妖外夷。化光四表,威截九圍。封畿之制,王者常經。乃延輸、爾,肇建帝京。土苞上壤,地跨勝形。庶人子來,不日而成。崇台霄峙,秀闕雲亭。千榭連隅,萬閣接屏。晃若晨曦,昭若列星。離宮既作,別宇雲施。爰構崇明,仰准乾儀。懸薨風閱,飛軒雲垂。溫室嵯峨,層城參差。楹雕虯獸,節鏤龍螭。瑩以寶璞,飾以珍奇。稱因褒著,名由實揚。偉哉皇室,盛矣厥章!義高靈台,美隆未央。邁軌三五,貽則霸王。永世垂節,億載彌光。其秘書監胡義周之辭也。


(晋書130-20_文学)




晋書さん「どう、どう??? ぼつぼつの野郎どの面さげてほざいとんねんつて感じしない??????」


……ということなんでしょうね。周辺で悪逆非道を訴えながら、ここではその無駄にきらびやかな言辞をどかっと乗せる。特に晋書は列伝のほうのラストを反逆者で彩っています。なら、載記にも似たような属性を付与してきているでしょう。


あー、どっかにぼつぼつ周りの記述残ってないかな。屠本十六国春秋はまるでこの点については役に立たないし。

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