勃勃19 功徳頌序 下

「しかし宰相以下の臣下らは、それでもなお古代の聖王らの威厳には及ばぬと語る。そのため王爾のごとき優れた大工、班輸の如き巧みな彫刻家を招き、鄧林にまで見事な木目を描く木を求め、恆嶽にて美しき石を採取し、地方よりもちよられた金銀や宝玉の塊のうち、陛下おん自らより優れたものをお選びになり、その規格決定にも関わられ、離宮を露寢の南に、別殿を永安宮の北にお構えになった。


 高きこと千尋、広きこと萬仞。窓際の彫刻は騰虹が眉を揚げるが如く、軒先では翔鵬が翼を畳んでいる。東西を開き、五時の坐を開いた。四隅に設け、一禦の位を建てる。溫宮は広く複雑、涼殿は狭く込み入り、隋珠をからませ、金鏡をめぐらせる。たとえ日光が昇ったとて、室内に昼夜の別はない。季節が移ろおうと、寒暖に差もない。


 この宮殿の壮麗さを前に、智者ですら名をつけられず、どんな弁者も形容に詰まる有様である。これはまさしく陛下の神明の証であり、およそ人の手で成し遂げられる領域を遥かに越えている。似たようなものを求めて名付けてみようと思ったところで、如來のいる須弥山の宝塔や帝釈天のいる三十三天の神宮ですら、この城の壮麗さには及ばぬのだ。


 昔、周の宣王が宮殿を立てたとき、詩人が詩を献上した。周の祖先たる后稷の母、姜嫄を祀る廟が浄められたことは、詩経の魯頌にも載るとおり。ましてや陛下のための居城が落成し、都が構えられれば、功績はひとところに集い、古来よりの規範が改めて示され、百余もの神が祀られ、周辺諸侯を大いにもてなし、民草らは新たな都に、新たな都の誕生を祝う歌に耳目を開いている。かくして天下が陛下による夏室再興を祝うのだ。どうして高らかに歌い上げずにおれようか、どうしてその偉大なる功績を金石に刻みつけずにおれようか!


 このため都に石碑を立て、その素晴らしき功績をたたえ、陛下の御威光を永劫の未来にまでお伝えしよう。その碑文は、以下の通りである。




然宰司鼎臣,群黎士庶,僉以為重威之式,有闕前王。於是延王爾之奇工,命班輸之妙匠,搜文梓于鄧林,采繡石于恆嶽,九域貢以金銀,八方獻其瑰寶,親運神奇,參制規矩,營離宮於露寢之南,起別殿于永安之北。高構千尋,崇基萬仞。玄棟鏤榥,若騰虹之揚眉;飛簷舒咢,似翔鵬之矯翼。二序啟矣,而五時之坐開;四隅陳設,而一禦之位建。溫宮膠葛,涼殿崢嶸,絡以隋珠,綷以金鏡,雖曦望互升於表,而中無晝夜之殊;陰陽迭更於外,而內無寒暑之別。故善目者不能為其名,博辯者不能究其稱,斯蓋神明之所規模,非人工之所經制。若乃尋名以求類,蹤狀以效真,據質以究名,形疑妙出,雖如來、須彌之寶塔,帝釋、忉利之神宮,尚未足以喻其麗,方其飾矣。昔周宣考室而詠于詩人,閟宮有侐而頌聲是作。況乃太微肇制,清都啟建,軌一文昌,舊章唯始,咸秩百神,賓享萬國,群生開其耳目,天下詠其來蘇,亦何得不播之管弦,刊之金石哉!乃樹銘都邑,敷贊碩美,俾皇風振于來葉,聖庸垂乎不朽。其辭曰:


(晋書130-19_文学)




(よくわからんけどわかったみたいな顔)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る