勃勃18 功徳頌序 中

「かくして天命がくだされ、わが皇統は大いなる天命を受け、それに応じ、仰いで時運を賜り、俯いては民望を得た。かくて統万とうまんにて皇位につき、その大義は天下に知らしめられた。


 奸賊群雄のはびこる中、日夜政務に励み、司令を郡将に授ければ失策なし。陛下が自ら軍を率いられれば戦わずして各地は帰順した。このため後秦こうしん關隴かんろう地域の支配力を三代で喪失し、黄河こうが上流域の民も、オルドス北部の胡族らもまた陛下のもとにかしずいた。


 服従者には恩沢が、背反者には処罰がもたらされ、文治と威武が等しく示され、五年もすれば風俗は改まり、七年も経てば陛下の恩恵は領内にあまねく行き渡った。はるかしゅうの文王の王業の始まりを思い、山河の利を十全に活かし、統万城を築かれ、都とされた。名山を背とし、大河を正面にすえ、左に渡し場、右に厳重な要塞を備える。


 城壁は高く、日すら隠し、その頂上は雲にも届かんほど。城壁と堀とは千里の長きをも包み込むほど。単独にて超常的な防御力を誇り、その堅固さは長安ちょうあんをもしのぎ、その美しさは洛陽らくよう城をも凌ぐ。


 もし五郊七廟の祭事をなし、社稷を尊び、天帝を奉じれば、さも天帝が降ぜられたかのごとき様相を示そう。正門は天をも覆う山のよう、側門は虚飾を排し岳のごとく峙し、城内の林や池、妻妾らの集う部屋や館、帝のための道や周辺の庭園にも、密かに万国の様子を映し出し、光で全土を覆い、あらゆるものを備える。それはあたかも紫微垣しびえんが天の北極=北辰ほくしんを、崑崙山こんろんざんが神仙の住まう地を摂包しているかのごとくである。




於是玄符告征,大猷有會,我皇誕命世之期,應天縱之運,仰協時來,俯順時望。龍升北京,則義風蓋于九區;鳳翔天域,則威聲格於八表。屬奸雄鼎峙之秋,群凶嶽立之際,昧旦臨朝,日旰忘膳,運籌命將,舉無遺策。親禦六戎,則有征無戰。故偽秦以三世之資,喪魂于關、隴;河源望旗而委質,北虜欽風而納款。德音著於柔服,威刑彰於伐叛,文教與武功並宣,俎豆與干戈俱運。五稔之間,道風弘著,暨乎七載而王猷允洽。乃遠惟周文,啟經始之基;近詳山川,究形勝之地,遂營起都城,開建京邑。背名山而面洪流,左河津而右重塞。高隅隱日,崇墉際雲,石郭天池,周綿千里。其為獨守之形,險絕之狀,固以遠邁於咸陽,超美于周洛,若乃廣五郊之義,尊七廟之制,崇左社之規,建右稷之禮,禦太一以繕明堂,模帝坐而營路寢,閶闔披霄而山亭,象魏排虛而岳峙,華林靈沼,崇台秘室,通房連閣,馳道苑園,可以陰映萬邦,光覆四海,莫不鬱然並建,森然畢備,若紫微之帶皇穹,閬風之跨后土。


(晋書130-18_文学)




うーん、まぁ「頑張って言葉を飾り立てて偉大さをアピールしようとする」輩にろくなもんはいない、とだけ語りたいところです☆

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