第12話

地上に 降りてきた 邪神ちゃんは 今日も…………

「 少し サボった位で 怒りすぎなのじゃ

だから ミハエルは姉妹揃って 『お局様』なのじゃ」


お供の ハルルンを連れて愚痴を言う邪神ちゃん。

ハルルンは 知っている

こういう時は 余計な事を 言わずに頷いておくのが『ベター』だと 生前 ブラック会社で 学んだのだ。


女神 エリリンは 既に天使長 ルーファスが 軟禁しており 連れ出せなかったのだ



「 あのぉ~ ユリリン様 私 あまり(人間界の)お金を 持って無いのですが 大丈夫でしょうか ? 」

ハルルンが 心配そうに 聞いてきた


「 大丈夫なのじゃ この前 ヘラ様に おこずかいを貰ったのじゃ 妾の へそくり も有るから安心するのじゃ」

小さな胸を張って 答える邪神ちゃん


邪神ちゃんの お金は堕天使長 ミハエルが管理していて 自由に使えないのだ



邪神ちゃんは とあるビルの三階にある 『ウミダ デンキ』に来ている


恭華に 頼まれた 『 太陽が導く異世界旅行』のDVDを 買いにきたのだ


大きなテレビ画面に ちょうど そのアニメが流れていた



おぉー 後で 恭華に見せて貰おうと邪神ちゃんは思うのでした



恭華は 『 オメガ ポリス』という 『アプリ』の小説の ファンであり この後 五階の 『アニメデス』でラノベも 買わなければ ならないのだ。

もし なければ 隣の『ゲーマーヤ 』で 探さなければならない !

ハルルンは 荷物係として 連れてこられたのだ


両手一杯に 手提げ袋を持ち 邪神ちゃんの後に続くハルルン

( 一緒に 買い物は 楽しいけど まだ買うのかしら ? ユリリン様 堕天使とはいえ 結構 重いんですけど……)


ハルルンの気持ちを 知らずに 隣の駅ビルに 入って行く 邪神ちゃん


「 また 本屋ですかぁ ? 」

ハルルンが 呆れたように聞くと


「 ここに 恭介が いる気配が するのじゃ

会いに行くのじゃ ! 」

邪神ちゃんは 『くまくま書店』と書かれたお店に入って行った。



しばらくすると 邪神ちゃんと 手を繋いだ少年(?)が現れた

そして 本屋の下の階にある 『ファミリー レストラン』に 入っていった

ハルルンは あわてて その後を 追った


三人で 遅めの 昼食を 食べたのだが 邪神ちゃんと恭介という少年(?)が 仲良く並んで座る姿を見て 兄妹(?)みたいで ハルルンの頭の中は疑問で一杯だった


恭介少年と 別れた後 ハルルンは思わず聞いてみた


「ユリリン様………あの少は………………」


「 恭介は 恭華 と光介の 息子じゃ 」


「 えっえ~ ! あの悪魔のような 恭華様 と あの天使のような少年が 親子なんですかぁー ! てっきり 邪神様と 兄妹かと 思っていたのですがぁ 」


「 まぁ いろいろあるのじゃ

そろそろ 帰らぬと ミハエルが 五月蝿いから 帰るのじゃ 」




『転移 魔王城 ! 』


邪神ちゃん と ハルルンの姿が 消えた……



[ 魔王城にて]


邪神ちゃんが 頼まれた買い物を 恭華に渡す所で堕天使長 ミハエルが 転移 してきた


「ユリリン様ぁ~ やっと見つけた !

帰ったら お説教の後 しっかり仕事して もらいますからね ! 」

ミハエルが 怒りを 抑えながら言うと


「 それくらい 許してあげなよ !

ユリリンは 私(恭華)が お使いを 頼んだんだから !」


「 しかし ! 」


「許して やって ! 」


「…………………………」

「……………………………」


折れたのは ミハエルだった

「解りました 今回も 見逃します ………でも 、溜まった仕事は してもらいますからね!」


邪神ちゃん達は 帰って行った

「 ユリリンも しょうがないわねぇ 」

タメ息を つく恭華を見て


(みんな ごめんね )

光介は 心の中で謝った


[ ミハエルside]



案の定 ユリリン様は ハルルンに仕事を 手伝ってもらい 早々と 終わらせてしまった

悔しいが ハルルンは 本当に優秀な文官だ


エリリン様位 不器用なら 可愛げもあるのに本当に 悪知恵ばかり優秀なんだからぁ………





その夜 姉 ルーファスに愚痴を言いながら やけ酒をのむ ミハエルの 姿があった。

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