第58話 海上ルート ②

[ エリスside]


船酔いで グロッキー状態の お兄様アレスを 医務室に預けて 私達は船上の先頭にきた。


私は 以前 日本で見た映画の『マネ』をするために船の先頭に立ち後ろから王子に腰を支えて貰い 両手を横に水平に伸ばした。


海風が 気持ち良い、映画『 ◌イ◌ニック 』のヒロインに成った気がした。


ちなみに ジパングには これに似た映画、小説などはなかった。


[ユリリンside]


ユリリン

( ジーーーー~………エリスちゃんも『ミーハー』なのじゃ !

妾は ジパング も 日本も 有名な映画や アニメなんかは 押えているのじゃ )

「 エリスちゃん、 船で を やるのは 縁起が 悪いと思うのじゃが………」


エリス

「 だっ 大丈夫よ………たぶん、きっと、もしかして………あれは、何 ? 」



─── そう、 ここは 異世界である。 氷山が 流れてくる事は否定出来ないが 海にも 魔物が いるのだ ! ──────



客船乗務員 A

「 クラーケン だ ! クラーケンが 来るぞー ! 」


ユリリン

「……………ジーーーー~……」


エリス

「 わっ 私のせいじゃ無いわよ ! 偶然よ 、無罪を主張するわ ! 」


そう言っている内に クラーケンは どんどん近づいて来て 客船に並走するかの様に 泳ぎだした。


王子

「 相性最悪だな」


「 私達が 囮になるとしても 『海上』では 時間稼ぎも 難しいわね 」


クラーケンの触手の一つが ユリリンに近づいていった時、王子と葵が 前に飛び出し ユリリンを守ろうとした


ユリリン

「 大丈夫じゃ ! このは 妾のペットの『 ハッチャン』じゃ

久しぶりじゃのう。 すっかり忘れていたのじゃ ! 」


クラーケンの触手は ユリリンに甘えるような仕草をしていた。


エリス

「 ペットって、 ユリリン ………」


ユリリン

「 元々、ジパングの食用の『飯蛸いいだこ』を ペットで 飼っていたのじゃが 少し大きく成ったので 妾の管理するこの世界の海に 放流したのじゃ ! 大きく成ったのじゃ 」



王子、葵

「「 …………………… もしかして、駄女神なんじゃぁ ? 」」



ユリリン、エリス

「「 駄女神じゃ無い のじゃわよ ! ……………あっ ! 」」




──── こうして こちらも バレてしまったのでした───

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