第15話閑話 その頃、天界では……①

クリスが 王子達のパーティーに加わっていた頃、天界では 天使長 ルーファスが頭を抱えていた。


「エリリン様 いい加減出てきてくださーい ! お仕事が 溜まりすぎて 業務が滞っています。 私達 天使だけでは 業務がまわりません

女神の決済書類が 山程 たまってます。

いい加減 出て来ないと 世界神様に言い付けますよ!」


「…………………」

返事がない 無視をするつもりのようだ


『ビキッ』


ルーファスが切れた

「 いい加減出てコーイ ! この駄女神 !

仕舞いには しばくぞ ! 」


中から 『ガタッ』と音がしたとたん

「 ウワーン 駄女神と いったー !

仮にも 上司である私に 駄女神と言ったー ! ウワーン もう いやだー !

人間達は 私の言うことを聞かずに勝手なことばかりするし 部下は 部下で 上司である私に 駄女神 呼ばわりするし もう こんな仕事はシタクナイよー ! 」



部下である 下級天使が私の側に来て

「 どうするんですか、 アレ。天使長が 責任を持ってなんとかしてくださいよ 」



私が 怒りで震えていると 別の下級天使が来て

「天使長 お客様でーす !

堕天使長の 『ミハエル』様が きましたよ~

こちらに 連れてきますか~ 」


まったく 近頃の若い天使は 敬語もつかえないのか、あっ 頭がいたい。



そうしている内に 下級天使がミハエルを連れて来た


「 姉さん 大丈夫 ! ずいぶん機嫌が悪いようだ

けど 」


ミハエルが 心配そうに聞いて来た

そう 彼女は 私の双子の妹なのだ



「 なによ ! ミハエル。

私達は 本来 敵対関係なのよ 何をしにきたのよ ! 」


私は 少し八つ当たり気味に言ってしまった

彼女は 苦笑いしながら


「 実は うちの『邪神様』も 姿がみえないのよ。 多分 エリリン様と 一緒に居るのではと こちらにきたのよ 」


私は 思わず エリリン様が引きこもって居る部屋に振り返ってしまった。


今度は ミハエルが声をかけた

「 ユリリン様 居るのは解っているんですよ

出てきてくださーい !

お仕事が 溜まりに溜まって 山になってますよー 。出て来ないと 世界神様に 言い付けますよ! 」


そうすると 間髪いれずに


「 いやじゃー もう書類はいやじゃー

たまには 遊んでも 良いじゃないかぁー

妾は 仕事を シタクナイんじゃー !」



『 ビキッ 』

ミハエルが 切れた


「 いい加減出てきやがれ !

この駄目邪神 !仕舞いには しばくぞ ! 」


中から『ガタン』と 音がして


「 ウワーン 駄目邪神と 言ったー !

仮にも 上司である私に 駄目邪神と言ったー !

ウワーン もう いやだー !

ちょっと サボった位で そんなに怒らなくたって 良いじゃないかぁー ウワーン ! 」




ミハエル………貴女も苦労しているのね

まったく あの双子神は どうしてくれようか


私は 近くにいた下級天使に

「 ねえ 貴女は 世界神様に連絡してくれる ? 」


そう頼んだのだが 下級天使は言いずらそうに

「 世界神様は 現在 いろいろな異世界の神々にお詫び行脚を しています。

ヒト族達が 異世界召還しまくったので 暫くは、お戻りにならないかと思います」




頭痛が 痛い………………


「「 ウワーン ウワーン いやじゃー いやじゃー

仕事はいやじゃー ウワーン ウワーン 」」

もう 私の方が仕事シタクナイわよ !

ミハエルが 気が付いたように

「 そうだ ! 御二人の 親神の『ヤヌス』様になんとかしてもらいましょう 」


そうすると 下級天使が すまなそうに

「 もう すでに連絡したのですが

『 私は 放任主義だから 二人の自主性にまかせるわ』とのことです…………どうします ? 」


私達は みんなで 頭を抱えてしまった


「「 ウワーン ウワーン いやじゃー いやじゃー

ウワーン ウワーン !」」


だっ 誰か 助けて !

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