第6話 その魔物は…
「もしもし。神威だ。ユウリ、今回線繋げるか?」
再び回線を繋いだ神威。今度は空チームの別の飛空挺に繋いだ。
「こちらユウリ。今西方角から竜のような魔物がフレア、メリルの乗っている飛空艇を襲いました。我々も射撃をしているのですが、歯が立ちません。…あっ‼︎」
ドゴォォン
回線越しから空チームが敵の襲撃を受けている様子が伝わってきた。
「きょ、教官…。空チームの皆んなは無事なんですかね…」
冷や汗をかきながらエッジは神威に尋ねた。
「分からん…。まだロックとティナがいる。そこに回線を繋ぐ。」
動揺を隠せないエッジ達に比べ、神威は冷静な判断をしていた。
「もしもし、ロック。聞こえるか?神威だ。」
「はい、こちらロック。フレアとメリル、ユウリとファイの飛空艇が襲撃を受け、なんとか立ち向かっているのですが相手の魔物は強すぎて射撃や爆弾攻撃も効かないです。」
「分かった。お前達の飛空艇は無事か?」
「はい。無事です。」
「そうしたらお前達は陸に降りてこい。俺とエッジで向かう。飛空艇貸してもらうぞ」
「分かりました!今降下します!」
神威は回線を終えると…
「魔物が来たか…。」と一言呟く。
「よりによって魔物が来るなんてな…」とオーディオ。
「魔物怖い…空の皆大丈夫かしら…」と震えるリリーナ。
「大丈夫だよ。僕達は無敵さ!さっきのコクールン兵達と同じように彼らも苦戦しているだけさ」とトマが優しく励ます。
そんな会話をしていたらロックとティナが乗っている飛空艇がゴゴゴ…と音を出して降下してきた。
「教官、お待たせしました!」
ロックとティナは慌てて飛空艇から降りてきた。
「ご苦労。ここからは俺とエッジで向かう。何かあったら時の為に回線を繋いどいてくれ。」
「分かりました!よろしくお願いします!」
「エッジ、乗るぞ」
「はい‼︎」
神威は前方に乗り、エッジは後方に乗った。
そして勢いよく上昇して空に向かった。
上昇中、エッジは教官にある事を尋ねた。
「教官、陸で戦ったコクールン兵と現れた魔物って何か接点があったんですかね?」
「さぁな。俺にも分からんが、ローデル教会で感知したのはコクールン兵の存在のみだった。その為魔物が現れる事まで想定していなかった。俺の観察ミスだ。」
「教官…」
普段は鬼教官と言われるだけあって他者自分にも厳しい。その神威が苦言を吐いている様子にエッジもなんて言葉をかけていいか分からなかった。
「魔物は人間と違って生命力も耐久性も高い。油断は出来ないぞエッジ。」
「はい‼︎」
「俺はお前の腕を信じている。だから躊躇わずに攻め込め。倒すまで行かなくても致命所は負わせる位にしろ」
「はい‼︎俺全力で攻撃します‼︎」
「あぁ…頼んだぞ」
そう言うと神威は少し微笑んだ。
そしてフレア達空チームのいる上空まで到達した。
しかしそこで見たものは想像を遥かに超えた超巨大な龍が暴れ回っていた。
「っ!?あれが魔物…」
話で聞いたことがある。この大国マスティカルは長きに渡る戦争が因果してるのか、神話に出てくるような魔物が現れるようになってきてると…。
まだ戦場での経験が浅いエッジ達は初めてその存在を目の当たりにし、圧倒され言葉を失った。
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