第5話 コクールン兵

「くっ…しぶといやつらだぜ…」とデオン。

「回線回して連絡してみるよ」とナナエが冷静に言う。

「あぁそうだな。このままむやみに射撃してもらちあかねぇしな。」


チリチリチリチリ…

「こちら神威だ。どうした?」


「神威教官、こちらナナエです。大砲を受けてダメージ食らったにも関わらず、敵はまだ俊敏に動ける状況。手に負えません。」

「分かった。トマの方にも回線繋げよう」


チリチリチリ…

「こちらトマ。後方に回ったのですが、敵はわれわれの存在にすぐに気づき、射撃してくる状況です。身体能力的も計り知れず、どのように立ち向かったら良いか検討もつきません。」

「分かった。オーディオ、グルド、そっちはどうだ?」

「はい、こちらオーディオ。大砲で攻撃したのにも関わらず、僅かなダメージで敵はますますこちらに攻撃をしていています。空チームにも協力してもらった方が…」

「いや、まだその時ではない。」

「えっ⁉︎」

回線を繋いでた陸チームの皆んなは神威の言葉に驚いた。

「エッジ、お前の出番だ。」

「えっ?」

「この銃と剣を持って敵陣に特攻しろ。」

「俺捨て身ですか!?」

「いや、最初はこの戦車で攻め込む。相手はどうやら至近戦の方が好都合なようだ。」

「デオン達戦車の扱いに長けてる奴らでも苦戦していましたね。もしかして教官、これが狙いだったんですか?」

「それは秘密だな…。そうと分かったら行くぞ!」

「あっはい‼︎」

神威の言葉に引っかかりつつも、言われた通り戦車を動かして攻め込んだ。


「おりゃぁぁー‼︎」

エッジは見たこともないようなもの凄いスピードで戦車を動かし、敵陣に攻め込み、射撃を撃ち放った。

ドドドドドドドド…

これにはコクールン兵も驚き、攻撃を食らった。

そして戦車で射撃を散々した後…

「今だエッジ‼︎戦車から降りて攻め込め‼︎」

「はい‼︎」

エッジは敵陣の中心の戦車から降り、銃と剣を持って敵に攻め込んだ。


「うおりゃー‼︎」

ドンドン‼︎と追いつけないような速さでコクールン兵を次々と倒し、相当なダメージを与えた。

エッジの攻撃に目がいっているコクールン兵は、他の戦車からの援護にも気づかず、射撃を受けた。


「+〆<○*¥%×…」

「えっ?」

最後に苦し紛れにコクールン兵は独特の言語を使って撤退した。



「…なんて言ってたんだろう…?」

ぽつんと残ったエッジ。コクールン兵の言葉が訳わからず理解に苦しんでいた。


陸チームが次々と戦車から降りてきて…

「エッジ‼︎やっぱすげーよお前‼︎見事な動きだったぜ‼︎」とデオンが勢いよく駆け寄って抱き寄せてきた。

「うわっ‼︎デオン、びっくりしたー‼︎」

「びっくりしたのはこっちの方だよ!あんたもう捨て身で行けるよ‼︎」とナナエが言う。

「えー俺達まだ長生たいからなぁ…」

「大丈夫だよ…エッジは捨て身でも簡単に倒れないよ。」とトマが茶化す。

コクールン兵を倒した安心感で俺達は笑いあったりした。

そんな時だった…



チリチリチリ…

空チームから回線が来た。

「こちら神威。フレアか。どうした?」

空チームからの回線に、喜び合っていた陸チームも沈黙した。


「教官。こちらフレア。陸でコクールン兵が撤退したのは確認出来たのですが、今度は空の方から感知器が作動しています。」

「方向は何処からだ?」

「西前方より感知器が指しているのですが、敵の気配が感じ取れません。」

「了解した。空チームは指してる方角に少しずつ進め。」

「了解しました。…あっ‼︎」

「どうした?…フレア⁉︎」


ブッブッ…

フレアとの回線が繋がらなくなり、神威は困惑していた。

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