第4話 苦戦

聖者の森に着くと、入り口付近は敵は見かけなかった。

「敵はこの辺りにはいなさそうです。」

デオンが言う。

「分かった。だが用心して進め。いきなり襲ってくる事も考えられるからな。」

神威は冷静に言う。

「……」

神威と同じ戦車に乗っているエッジはじっと身構えていた。


空では…

「敵の反応がないわね。」

メリルが言った。

「そうだね…。」

フレアも静かに返した。

感知器から反応がないのを確かめ、上空から観察をしていた。


聖者の森中心部に近づいた時だった。


ビュンビュン、ボォンッ‼︎

敵からの威嚇射撃が来た。

「っ⁉︎」

みんなが驚いて前を見ると…

そこには見た事のない武装兵団がいた。

戦車も持ってなければ大きい爆弾もない。ただこのアーデルには無い科学的な巨大アームガンと完全鎧に包んだコクールン兵達が10人。たった10人なのに核の差を思い知らされたエッジ達アーデル兵。

「皆狼狽えるな‼︎戦闘体制を整えろ‼︎デオン、ナナエ、先陣を切るんだ‼︎」

「はい‼︎」

神威のテキパキとした指示の元、先陣のデオンとナナエが応えた。

「いっけぇー‼︎」

デオンが戦車のスピードを上げ、敵陣に攻め込む。

コクールン兵はアームガンで戦車を射撃をし、もちろん戦車も攻撃を受ける。

しかしそれとはお構いなしにデオン達も戦車で射撃をする。

後方からトマとリリーナの乗る戦車も射撃で攻め込む。

しかし後方の攻撃にも瞬時に対応し、コクールン兵はトマとリリーナの戦車にも射撃をする。

「ぐっ…」

「うぅ…私怖い…」

あまりの射撃音にトマもリリーナも立ち向かえない状況だった。

デオンやナナエも攻めるが…

「くっそ…あいつら一体なんなんだよ‼︎俺達の攻撃食らってんのに平然としてやがる…」

「まるでロボットみたいだね。ゾッとするよ…」

コクールン兵の異常さに歯が立たないでいた。

物陰から隠れていた大型戦車に乗っていたオーディオとグルドが大砲を撃ち、やっとコクールン兵にダメージを食らわすことが出来た。

「やったー‼︎」と喜ぶアーデル兵達。

しかし、与えたダメージは僅かに及ばす、再び立ち上がった。

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