第2話 あるスケータ-の回想録

 今、4:00。

 こんな時間にはテレビは懸命に掃除機を売っている。そして今なら焦げ付かないフライパンが無料で付いてくるし、なんと掃除機2台目はただ0円……。なんど電話しようと思ったかわからない。


 仕方なくスマホでニュース見ながら飯食ってるとある記事に出会った。有名な元

フィギュアスケート男子の方の回想録であった。



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「おっと!ころんでしまった!」実況の声は尻すぼみになった。誰もが三連覇は無理だと思った瞬間でもあった。



 僕はいつも通りにやれば五輪三連覇は出来ると思っていました。ショートでは自分でもまさか、まさかの事態になりました。氷表に穴があいてました。自分が飛ぶ地点に穴あいている確率を考えるとこの試合は勝てないと思いました。


 ショートからフリープログラムまでは一日空いていました。僕はいきずまっていたので選手村を散歩することにしました。あちらこちらから美味しそうな匂いが漂うなか、ぽつんと一件、「大福や」との看板が目に留まりました。


「え?海外で大福食べれるの???」

僕は大福をたべたい一心で中に入りました。


「いらっしゃいませね」

「あ、はい、一人です」

「まあ、見ればわかるね」

「あ、すいません。大福たべたいです」

「まあ、うちは大福やだからラーメン食べたいいわれたら困るね!」

「アハハッ、日本語、上手ですね!」

「日本人ですけど」

「え??すいません……失礼しました」

「まあ、許してあげるけど、あんた悲しいことあったね?」

「え???  はい、転んでしまいました」


「……誰だって転ぶね。でもみんな立ち上がる。そしてまた転ぶね。そしてまた立ち上がる。生きていくことこの繰り返し……ああ、大福だったね……」


 僕はそれまで我慢していた「泣いて生まれる涙」が、温かくほほをだくだくと伝うのを感じた。


「泣きおわったらたべんね!」

「はい、ありがとうございます。ウウウ」


「……おいしいです。お茶も凄くおいしい。」

「うちの大福がおいしいとわかるならあんたはまだ大丈夫ですばい。生きとる。まだ死んどらんば~い」

 女将さん?はにやけた顔して。


 善因善果

 悪因悪果

 自因自果


と唱えた。


あんた競技に入る前に十字ばきんなさったね。カトリックね。よかね、でもねこれもしっとかんね。

「簡単に言うと良い行いが良い結果を生む。そしてその反対。それとその報いは必ず自分に帰ってくる。来世でもね」ということたい。ブッダ様の教えもよかですばい。


 と女将さん?は言い、「これ、宇宙の法則やんけん、今回は違ったということはないもんね。絶対の法則やんけんね~。フィギュアなんとかは私にはわからんばってん、あんたはまた1位になるけんね。それは遠い昔から決まっとると。だから失敗したかもしれんばってん王者としてフリーにいきんしゃい。誰も今のあんたには勝てんとよ!」


と言われて半信半疑で店を出た。店の場所は大きな木と大きな木の間で大きな木を切った後に建てられた感じたがした。位置は確認した。また、来たいと思ったから……



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