第六話 スタコラサッサ

うん、逃げよう。


あれを取り入れてから数秒後の私の脳内の99%がこれである。

ちなみに1%は秘密。


思ったよりも、脳の損傷が激しい。立っているのもままならない…

今日の学校はお休みしよう。しゃーなし。


と、いうわけで…。


「…後は君に任せるよ。」

「フェ?」

「んじゃ、現場検証身代わりよろしく♪私のことは内緒で!」


必殺!責任転嫁!か〜ら〜の〜?


「フッ!」


全力ダッシュ!


「あっ…!」


なんか聞こえるけど聞こえない!


ドンッ!


上にジャンプ!マ●オ空後で…


バビューン!


家にレッツゴー!


…シュタッ…


と、思ったけどもう頭が限界なので見知らぬビルの屋上に軟着陸!


ふぅ…


くっ…そ…っ


「っぐっ…ああぐっ…くぅぅぅぅぅぅっ…」


ああ、クソ…レディがクソなんて言葉言っちゃいけないんだけど…クソ…


『仕方ないじゃろう?脳内全体を麻酔にかけるなんてこと…出来なくもないんじゃが…やりたくはないのでな。』

「ああっ…グッ…ちょ…だま…」

『それでもやりたいと言うなら一向に構わんが…?』

「だああァッ!うるさ…い!静かに…!して…!」


さっきからあんたの声が脳内でキンキン響いてうるさいんだよっ!

ぐ…っああああッ…もう何も考えられん…考えるのも億劫だよ…っつ−か痛いし…


しょうがない…ちょっと寝させていただきますか…


っつっても寝れるかどうかはしらんけど…


ああっ、また変なことに頭使うから…ッぐぐぅ…


______________________________________


私は、呆然としていた。


目の前の光景が、あまりにも理不尽で、非現実的で。

そして、幻想的だったから。


だから、横にいる青い服の人にもしばらく気づかなかった。


「…ん…さん…」


私の目の前は、ほんとに真っ白で…なぜかはわからないけど…見とれてしまっていたから…


「…やんさん…!…Ayanさん!!」

「ッ?!」


私が警察に通報してから、一時間ほど経った頃だった。

まだ、一時間?私は、あの時間が一日や二日じゃすまないほど長く感じていたというのに。


「大丈夫ですか!お怪我はありませんか!?」


警官の女性は、必死に私に呼びかける。とりあえず、立ち上がれるから大丈夫と言っておいた。


「ほ、ほんとに大丈夫なんですね?ずっと心ここにあらずといった顔をしていられましたが…」

「ほんとに大丈夫です…あ、でも、私の名前、ありがとうございます。」

「///ッ…いえ!」


顔を少し紅潮させる警官を傍目に、私は目の前に広がる光景を見ていた。


あふれかえる、人人人。この惨状を見ようとスマホ片手にこの場に寄り集まっている。

最前列には『KEEP OUT』の黄色いテープ。人混みを前にして、堂々とおまわりさんは立っている。

数字が書かれたたくさんのプレート。瓦礫や足跡、破壊された建物、そして、私が腰を抜かして座っていた場所や、ディレクターの死体や、血痕の近くに置かれていた。


私を除くテレビ撮影班は、私が呆然としている間に全て死んでしまっていたようだった。と言っても、スタッフ数人とカメラマンとディレクターの少数精鋭だったため、被害は軽微だった。…感覚がおかしいわね…

みんなの死体はすでに撤去されており、倒れた後だけ白いテープが貼られていた。首から上がなかったり、胴体と足が切り離されていたりなどはしたが…。…余談ではあるが私の座った跡にもしっかり貼られていた。ちょっと恥ずかしい。


「…なんだか色々とメンタルブレイクしすぎて、逆に強くなっちゃったかも…」

「…どうされました?」

「いえ…なんでも。」

「?…それでは、現場検証として、この事件の時、どのような状況だったのか、できる限りでいいですので、詳細な情報をお聞かせ願えますでしょうか…」


現場検証が始まる。思ったより難しいことを聞かれなくてよかったのだが…


「…話をまとめますが、ここで撮影をしていたところ、黒い巫女服を着た女性が颯爽と現れ、被害者達を一瞬で殺害した、重機を持った黒い怪物を刀で一刀両断。窮地を救ってもらったと…?」

「…はい。」

「…失礼を承知でお聞きしますが、頭を打ったりなどは…」

「していません。血も出ていませんし。」

「…ご持病などは…」

「全くありません。幼少期から、健康そのものでした。」

「…わかりました。以上で現場検証は終了となります。お疲れさまでした。」


…どうやらその表情から見るに、まるで信じてくれていなさそうだ。というか、聞いてきた内容が、完全にアウト。こっちを憐れむような目で見てきたし。

まぁ、そりゃそうだ。自分で言ってて、途中からナンダコレハってなってたからね。

あの子が言ってたことが最もだって、今更ながら気づいた。あの子は一体誰だったんだろう…


「お車で自宅までお送りいたしましょうか?」

「いえ、自分で帰れますので。」


あまりに突拍子もない話なのは分かってる。でも、流石に少しも聞き入れようとしないのには腹が立ったので、せめてもの反抗心で断る。


「…そうですか。それではお気をつけて。」


…はぁ、さっさとタクシーを呼んで撒かないと…

口調変わっちゃってるからまた戻さないといけないのねぇ…


テープをくぐって出ると、見上げた空はもう真っ暗だった。


______________________________________


どうも!お久しぶりです!COOLKIDです!

大幅に遅れちゃって申し訳ございません!

更新頻度はできるだけ高くするように心がけていますが、学校行事や家庭事情などでこのように日をまたいでしまうことがあることがありますので、何卒ご容赦をお願いします…

ってか、悟…後片付けしてないじゃん…ってか、周り全部死んでるじゃん…

色々諸々よろしくおねがいします!

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