第2話 交番コント

今日、聞こえてきたのは、娯楽番組らしく漫才のような会話だった。まさか・・・ いや、やっぱりコントだ、絶対に、そうに決まってる……


若ポリ「どうしたんスか。メシ注文しないんスか?」


老ポリ「殺到するかと思ってたんだがな。ラーメン、寿司、ピザ……」


若ポリ「どーいうことっス?」


老ポリ「ニュースでやってたろ。どこのサツケイでも葬儀会社から賄賂をもらってる、て」


若ポリ「遺族の情報流して欲しいってやつっスか? 裁判であんなこといっちゃあ、だめっスよね」


老ポリ「オレが店やってたら、絶対、近所のコーバンに行くぞ。道を尋ねられたら、ぜひ、うちの店を紹介してくださいってな」


若ポリ「それで、出前の注文しなかったんスか。そんなことあるわけないじゃないスか。スマホあるのに」


老ポリ「スマホ持ってない年寄りだっているだろ?」


若ポリ「そんな年寄りがアテもなく、ラーメン屋の場所、尋ねまス?」


老ポリ「オレたちに縁があるのは、あとは泥棒くらいか…… いっそのこと、泥棒に一人暮らしの高齢者の家を教えるか?」


若ポリ「泥棒がコーバンに来るわけないっしョ!」


老ポリ「徘徊してる年寄り見つけたら、老人ホームに斡旋するってえのは、どうだ?」


若ポリ「それじゃあ、誘拐っス」


老ポリ「葬儀会社に代わる資金源が欲しいなあ……。

 あ、閃(ひらめ)いた!」


若ポリ「いやな予感がするなあ」


老ポリ「スマホがあっても、絶対、コーバンに来る用件があるだろ?」


若ポリ「電車賃貸してください、スか?」


老ポリ「そうだよ。その時に、街金(マチキン)紹介するってえのは、どうだ?」


若ポリ「どうだ、て、どうするんスか?」


老ポリ「オレ、今からそこの街金行ってくらぁ」


若ポリ「賄賂要求するんスか? そりゃあ、マジ、ヤバいっスよ」


老ポリ「ティッシュでもダメか? もうティッシュは買わなくて済むゾ!」


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